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陽性
「陽性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陽性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
る。年齢は、三十歳。いつも、にこにこしている。美男子ではないが血色もよく、謂わば
陽性の顔である。津島さんと話をしておれば苦労を忘れると、配給係りの老嬢が言った事....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
うぐみ》だ。第三にと……迷亭? あれはふざけ廻るのを天職のように心得ている。全く
陽性の気狂に相違ない。第四はと……金田の妻君。あの毒悪な根性《こんじょう》は全く....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
にくらべて高いほど戦争は男性的で力強く、太く、短くなるのであります。言い換えれば
陽性の戦争――これを私は決戦戦争と命名しております。ところが色々の事情によって、....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
じて清潔を保っていた。 以上三人の患者達は、どちらかと云えばみんな揃って温和な
陽性の方で、赤沢病院が潰れようと潰れまいとそのようなことにはとんとお構いなく、狭....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
びいて来た。陰性を帯びたはしゃぎ方だ。上へ上へとはしゃぎ出そうとする氏の都会的な
陽性を、どうしても底へ引き込む陰性なものがある。私の眼には一本の太い針金の幻覚が....
「李陵」より 著者:中島敦
うものだったが、それを求めることに変わりはない。)妥協性はなかったが、どこまでも
陽性で、よく論じよく怒りよく笑いなかんずく論敵を完膚《かんぷ》なきまでに説破する....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
そう》して私は独り超然として、内々《ないない》で堕落していた。若し友人等の堕落が
陽性なら、私の堕落は陰性だった。友人等の堕落が露骨で、率直で、男らしいなら、私の....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
にもよい対照をもって居る穀物で、稲は春に仕立て夏に育ち秋に取入れる。一年中の最も
陽性を受けた豊潤な時を領分として成熟する。それに引替えて麦は陸上に霜枯れの時代か....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
供たち二人はツベルクリンが陰性で、これも予防注射が出来そうです。親たち二人はもう
陽性よ。寿江子だって、私だって。私のレントゲンは来月に入ってからです。今本物の高....
「猫性」より 著者:豊島与志雄
私は、猫のためにまた自分のために、力強い喜びとする。この喜びが陰性のものでなく、
陽性のものとなる時に、私は創作の筆が執れるだろう。....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
整然とした都市にあっても、流れや淀みを至る所に作る。淀みには陰性が住み、流れには
陽性が住む。東京のような戦災都市では、その差がまた甚しい。少しく行けば、たちまち....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
以てしたるまでのことにして、人間の男女も端なく其名籍の中に計《かぞ》えられ、男は
陽性、女は陰性と、勝手次第に鑑定せられたるのみ。其趣は西洋の文典書中に実名詞の種....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
に苦しめられたが、その一つが女房の血液のことだ。女房が南雲さんで血液検査をうけて
陽性だったという幻覚なのである。幻覚というよりも、催眠薬で昏睡中にみた夢なのだ。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
違ない。漢方の書物に憂鬱性フーテンというのが奴メの病気に当っている。この反対に発
陽性フーテンというのが、まアいくらかオレが近いかも知れんな」 と苦笑にまぎらし....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 武力の価値が大でありこれが絶対的である場合は戦争は活発猛烈であり、男性的、
陽性であり、通常短期戦争となる。これを決戦戦争と名づける。 武力の価値が他の手....