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隈
「隈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
一
………それは小ぢんまりと出来上った、奥床しい門構えの家だった。尤《もっと》もこの界
隈《かいわい》にはこう云う家も珍しくはなかった。が、「玄鶴山房《げんかくさんぼう....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
『姐《ねえ》さん、お金をおくれよう』って言って、……」
「ああ、そう言えばこの界
隈《かいわい》には小堀《こぼり》とか云う不良少年があってね、……」
すると次の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《ひょうえ》の行《ゆ》く方《え》を探って、五畿内《ごきない》から東海道をほとんど
隈《くま》なく遍歴した。が、兵衛の消息は、杳《よう》として再び聞えなかった。
....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ある時雨《しぐれ》の降る晩のことです。私《わたし》を乗せた人力車《じんりきしゃ》は、何度も大森界
隈《おおもりかいわい》の険《けわ》しい坂を上ったり下りたりして、やっと竹藪《たけ....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
それを出迎えるために、朝から家《うち》を出て行ったが、君も知っている通り、あの界
隈《かいわい》は場所がらだけに、昼でも滅多《めった》に人通りがない。その淋しい路....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
はっちょうぼり》の湊町《みなとちょう》辺にあった話です。何でも事の起りは、あの界
隈《かいわい》の米屋の亭主が、風呂屋で、隣同志の紺屋の職人と喧嘩をしたのですな。....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
店の商用を抱えた私は、――御承知の通り私の店は綿糸の方をやっていますから、新潟界
隈《にいがたかいわい》を廻って歩きましたが、その時田原町の母の家の隣に住んでいた....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
物にしてしまうのじゃ。そうすると予備隊は、お前たちの行った跡《あと》から、あの界
隈《かいわい》の砲台をみんな手に入れてしまうのじゃ。何でも一遍《いっぺん》にあの....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
、もう泣きは致しません。御房《ごぼう》は、――御房の御住居《おすまい》は、この界
隈《かいわい》でございますか?」
「住居か? 住居はあの山の陰《かげ》じゃ。」
....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
う》と交遊の厚かった人である。家も河岸《かし》の丸清《まるせい》と云えば、あの界
隈《かいわい》では知らぬものはない。それを露柴はずっと前から、家業はほとんど人任....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
いている火を見たり、或は又自動車の中から(その時は妻子とも一しょだった)常磐橋界
隈の火事を見たりしていた。それは彼の家の焼けない前にもおのずから僕に火事のある予....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
為、先生も時には間違わるる事あるを知り、反って親しみを増せし事あり。部屋は根津界
隈を見晴らす二階、永井荷風氏の日和下駄に書かれたると同じ部屋にあらずやと思う。そ....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
ではない。例へば、大川にしても、僕が子供の時分には、まだ百本杭もあつたし、中洲界
隈は一面の蘆原だつたが、もう今では如何にも都会の川らしい、ごみ/\したものに変つ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の粋な胸かざりをつけ、さらに男性の胸をときめかすような短いスカートをはき、この界
隈きっての綺麗な足とくるぶしを見せつけたものである。 イカバッド・クレーンは女....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
僕は本所|界
隈のことをスケッチしろという社命を受け、同じ社のO君と一しょに久振りに本所へ出か....