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「階梯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

階梯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
を意味するのだ。――こうした発見は都会から不意に山間へ行ったものの闇を知る第一|階梯《かいてい》である。 私は好んで闇のなかへ出かけた。溪ぎわの大きな椎《しい....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
同棲生活に入りしこそ浅ましけれ。 ――されど、余には一つの計画あり、まず、その階梯を踏まんがため、眼科出の杏丸に命じて、幹枝の左眼に義眼手術を施せり。しかして....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
た木扉が両方に開いて、前房は薄暗い。一方には二階の明るさを想わせる、やや急傾斜の階梯がかっちりと重々しく落着いた階段を見せている。錆びた朱いろの絨緞を敷きつめた....
」より 著者:島崎藤村
」 「母親さん、危う御座んすよ」と豊世は灯の点いた洋燈を持ちながら、皆なの後から階梯を上った。 二階は、水楼の感じがすると、三吉が来る度に言うところで、隅田川....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
と、其の棚がギーと芝居でする田楽道具の様に※るから恟りして後へ下って覗くと、下に階梯の降り口がありますから、はて此様な処に階梯のある訳はないが、穴蔵の様になって....
黒百合」より 著者:泉鏡花
白く暮そうな。」と、あたかも死を賭にしたこの難境は、将来のその楽のために造られた階梯であるように考えるらしく、絶望した窮厄の中に縷々として一脈の霊光を認めたごと....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
・イヴァノヴナは非常に不幸な女であった。ダンテは「未熟なるもののパンは苦く、彼の階梯は急なり」と言っている。しかもこの老貴婦人の憐れな話し相手リザヴェッタが、居....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
言葉には慣習によるある型ができています。外国語の初歩は、これを覚えることが一つの階梯になっているくらい、一般的に、誰でも口にする言葉ですが、それでも、実際には、....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
たのです。「見て見ぬふりをする」フランス流の扱い方と、それを合理的に扱って進化の階梯にしようという自由法的の考え方との対照を見ることができたのです。 ....
偽刑事」より 著者:川田功
する丈けの美人も見付からなかった。 彼は大理石で張詰めた壁に沿って、コルク張の階梯を軟かく踏んで二階へ急いだ。彼女はエレベーターで天上でもしたのか、此処にも姿....
妖怪学」より 著者:井上円了
くすことあたわず。しかして、三十三天なお高し遠し、いわんや理想の都城をや。なにを階梯としてこれにのぼり得べきや。曰く、実験と論究との二者なり。この二者は、物心二....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
し、大成を数年の後に期するを要す。ゆえに、余はこの哲学館をもってその目的を達する階梯とし、今よりようやくその功を積み、他日に至りて堂々たる日本大学の一家を落成せ....
男の子を見るたびに「戦争」について考えます」より 著者:小川未明
です。これを考うる時に今日の画一教育が、良いとは言われないのであります。けれど、階梯として何うしても児童等は嫌いなものも、好きなものと、同時に強いられる教育状態....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
種馬見物は帰りにでもということにしてもらって、ぞろぞろと出迎いの歌人たちに交って階梯を下りかける、すぐにランチに飛び移ると、 「兄さん、おい、兄さん。」と、別の....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
根元線』または『魂の核心の写真像』と呼んだところのものである。」 意識が二つの階梯をつくっている。一つは日常生活の花。他は深みのそれ。この二階梯の結合の仕方に....