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随う
「随う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
随うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、彼の乗っている司令機は、下げ舵をとって、静かに機首を左へ廻したのだった。あとに
随う二機も、グッと旋回を始めたらしく、プロペラが重苦しい呻り声をあげているのが、....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
場に急使をたてた。四郎は直ちに諾して、「我を大将と仰ぐからには、如何なる下知にも
随うべし。陣立を整う故に早々各地の人数を知らしむべし」と命令した。道場の周囲には....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うたばかりであろうと、そなたが可愛うなったら仕方がないわい。どうじゃ。拙者の心に
随うてくれるか」 「でも、あの、あなた様は――」 「わしがどうしたと申すのじゃ」....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
とか、一つの語に多くの意味が含まれているものとか、秘密のものとか、昔からの習慣に
随うものとか、訳せば原語の持つ価値を失う、といったようなわけで、これらの五種のも....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
かの紅い丸を移し、またその口に口をやって息を吹きかけた。それがために紅い丸は気に
随うて喉に入り、かくかくという響をさした。そして暫くすると孔生は生きかえったが、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。関翁の心はとく彼山を越えて居る。然しながら翁も老齢已に八十を越した。其身其心に
随うて彼山を越ゆることが出来るや否や、疑問である。或は翁は摩西の如く、遙に迦南を....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
も又他の何かの政治方針を採るのかということになると、氏はどの民俗も「其民俗国情に
随うの外なしと云うのみである」(五一八頁)。だからこそ右翼団体の被告の一人などか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の古物が見つけられ、これによって野上の本陣を繰出した同勢が無慮百有余人――それに
随う見物の無数。 白と赤との旗幟を、胆吹颪《いぶきおろし》の朝風に靡《なび》か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ると、ずいぶんおかしなものでありました。 大尽の方では、絶世の美人だの、それに
随う小間使だのというものを、高楼に上《のぼ》せて、道庵先生の古屋敷を眼下に見下《....
「小翠」より 著者:田中貢太郎
元豊の病気は二度と起らなかった。元豊と小翠は夫婦の間がいたって和合して、影の形に
随うがようであった。 一年あまりして王は給諌の党から弾劾せられて免官になった。....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
抗であり、孤独放浪の気まぐれな憧れだった。親を捨て、妻を捨て、子を捨てて、何かに
随うというような積極的なものではなく、その
随うべき何かが全然欠如した、単なる憧れ....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
室から出て行った。そのことがなにか奇怪な印象を与えた。富子夫人さえ、二人のあとに
随うのをためらった。 後に、千重子の言うところによれば、順造と小泉とは、話をし....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
、其が唯阿弥陀三尊に止るなら、問題はない。阿弥陀像には、自ら約束として、両脇士の
随うものなのだから。ところが、之に附随して山の端の外輪が胸のあたりまで掩うている....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
いる石楠花や、熊笹を蹈み分けて、馬の背のような尾根を直た上りに登って行く、登るに
随うて大樹が次第に稀疎となって、熊笹がだんだん勢を逞うして来る、案内の人夫連は間....
「活人形」より 著者:泉鏡花
「ひい、殺して下さい殺して。と、死を決したる処女の心。よしやこのまま撲殺すとも、
随うべくも見えざれば、得三ほとんど責倦みて、腕を擦りて笞を休めつ。老婆はお藤を突....