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随分
「随分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
随分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
きになった。
「もうそれで御用ずみ。どうかあちらへいらしって下さい。」
「まあ、
随分でございますね。」
女中は思わず笑い出した。
「そんな邪慳《じゃけん》な事....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
さえ出来ないくらいだった。
「君たちは勿論知らないが、小えんは若槻に三年この方、
随分尽して貰っている。若槻は小えんの母親ばかりか、妹の面倒も見てやっていた。その....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
不自由もございませんでしたから、自然御美しいのと、御闊達なのとに御任せなすって、
随分世を世とも思わない、御放胆な真似もなすったのでございます。
そこで噂を立て....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
うのです。しかもそのまた彼の愛《アムウル》なるものが、一通りの恋愛とは事変って、
随分《ずいぶん》彼の気に入っているような令嬢が現れても、『どうもまだ僕の心もちに....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
白犬でしたわ。」
「そう云えばお前があの犬と、何でも別れないと云い出したのにゃ、
随分手こずらされたものだったけ。」
お蓮《れん》は膝の小犬を撫《な》でながら、....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《ほこり》を勢よく払い落すと、急に自分たち一同を見渡して、
「そりゃ毛利先生は、
随分古い人だから、我々とは少し違っているさ。今朝も僕が電車へ乗ったら、先生は一番....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
ゃ》だろうね。」
「ああ、この頃はずっと達者のようだ。あいつも東京にいる時分は、
随分《ずいぶん》神経衰弱もひどかったのだが、――あの時分は君も知っているね。」
....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
を憐んだのだった。
「しかしどうもむずかしいね。今なんぞも行って見ると、やっぱり
随分苦しいらしいよ。おまけに頭も痛いとか云ってね、始終首を動かしているんだ。」
....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
事がある。君はどう云う史料に従って、研究されるか、知らないが、あの戦争については
随分誤伝が沢山あって、しかもその誤伝がまた立派に正確な史料で通っています。だから....
「運」より 著者:芥川竜之介
ので、青侍はまた語を継《つ》いだ。
「お爺《じい》さんなんぞも、この年までには、
随分いろんな事を見たり聞いたりしたろうね。どうだい。観音様は、ほんとうに運を授け....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
お島婆さんにゃ見透しらしいからね。いや、事によると、この間の電話の一件以来、僕も
随分あの婆に睨《にら》まれていないもんでもない。が、今までの所じゃ、とにかく僕に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
古今に亘り、顕幽に跨り、又或る部分は一|般的、又或る部分は個人的と言った具合に、
随分まちまちに入り乱れて居ります。従ってその全部を公開することは到底不可能で、私....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
行って玉版箋などに色々のものを書いて貰われたらしいんです。だから夏目先生のものは
随分沢山持っていられました。書画骨董を買うことが熱心で、滝田さん自身話されたこと....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の活版所に入りてここに泊り朝より夕まで業に就き、夕よりまた夜業とて活字を取扱う。
随分と苦しけれど間々に新聞雑誌などを読む事も出来、同僚の政治談も面白く、米国のあ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
おった。アボットと往復した手紙をして困るというような事も述べてある。ファラデーは
随分と物忘れをして、困ったので、その発端は既にこの時にあらわれている。仕方がない....