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「隔てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隔てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
四五間先に、道とすすき原とを(これも、元はたれかの広庭であったのかもしれない。)隔てる、くずれかかった築土《ついじ》があって、その中に、盛りをすぎた合歓《ねむ》....
出帆」より 著者:芥川竜之介
成瀬《なるせ》君 君に別れてから、もう一月《ひとつき》の余になる。早いものだ。この分では、存外容易に、君と僕らとを隔てる五、六年が、すぎ去ってしまうかもしれない。 君が横浜を出帆した日、銅鑼《....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ませんか。それですから、私は一生懸命になってたしなんで居るんでさ。それを政夫さん隔てるの嫌になったろうのと云うんだもの、私はほんとにつまらない……」 民子は泣....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
成られぬと云う其の訳を伺いましょう、私を愛しても私の妻に成れぬとは何故です、間を隔てる人でも有るのですか、有れば其の人は誰ですか」 「権田弁護士」と取り次の者の....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
…。 (桂は顔をそむけて取り合わず。春彦、むっとして詰めよるを、楓はあわてて押し隔てる。) かえで ああ、これ、一旦こうと言い出したら、あくまでも言い募るが姉さ....
春昼」より 著者:泉鏡花
寄ると、ゆっくりと腰をのして、背後へよいとこさと反るように伸びた。親仁との間は、隔てる草も別になかった。三筋ばかり耕やされた土が、勢込んで、むくむくと湧き立つよ....
薬草取」より 著者:泉鏡花
小児心に取って返したのが丁ど幸と、橋から渡場まで行く間の、あの、岩淵の岩は、人を隔てる医王山の一の砦と言っても可い。戸室の石山の麓が直に流に迫る処で、累り合った....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
の山のお堂だね。」 「余り人の行く処でねえでね。道も大儀だ。」 と、なぜか中を隔てるように、さし覗く小県の目の前で、頭を振った。 明神の森というと――あの白....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ぬ処、物を怖れる処などを冷かすような風になった。そこで一日一日と人間とクサカとを隔てる間が狭くなった。クサカも次第に別荘の人の顔を覚えて、昼食の前半時間位の時に....
黒百合」より 著者:泉鏡花
願い遊ばして。」 「何をいうんですよ、馬鹿におしなさいねえ。」 と米は傍から押隔てると、敵手はこれなり、倉は先を取られた上に、今のお懸けなさいましで赫となって....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のです」 彼女に再び逢うことなしに、明日ここを離れて行き、今まで二人のあいだを隔てる障りある上に、さらに二人の仲をさくべき関所を置くことになったら、奇蹟でもな....
光は影を」より 著者:岸田国士
ある。それは、なんの想像もゆるさず、なんの気配も感じさせない、一切を彼と彼女から隔てる時と空間の象徴であつた。 阿佐ヶ谷まで、また、電車線路を伝つて歩いた。貨....
審判」より 著者:カフカフランツ
いで壁に沿って自分の部屋へ帰っていった。 最近のある夕方、事務室と中央階段とを隔てる廊下をKが通ると、――その晩は彼がほとんどいちばん後から家に帰ることになり....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
たる幸福のうちに真に女王は彼のものとなり、彼は女王のものとなるだろう、死が二人を隔てるまで、そういう夢だったにちがいない。そしてフランシス・ベエコンは、この世界....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
うのも大袈裟だろうが、あの高まりでも、今まで 話していたスフィンクスと己との間を隔てるには十分だ。 ここから谷の下の方を見れば、まだ篝火が大ぶ 燃えていて、それ....