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隔絶
「隔絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隔絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
と書いた。今になって見ると自分の為たこと考えたことは、帰国当時の心持からは大分|
隔絶《かけはな》れたものであるが、しかし自分としてはこれより外に道の歩みようが無....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
無用ではあるまいと思う。 生物が輻射圧の助けを借りて一つの遊星からずっと遠方に
隔絶した他の太陽系中の一つの遊星に移るということが可能であるためには、太陽系の境....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ている乾板を前にして、法水もさすが二の句が継げなかった。事実この事件とは、異常に
隔絶した対照をなしているからであった。それなので、紆余曲折をたどたどしく辿って行....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
らの特徴以外に法水に注目されたのは、ジナイーダとルキーンとの対照がむしろ悲劇的に
隔絶していることと、父の変死を伝えても、姉妹二人には睫毛の微動すら見られなかった....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
るところが少なくない。これは精神病者特有の一徴候なのだ。 普通の人間でもこんな
隔絶境に半月もいたら少々の嘘にも判別がつかなくなるだろう。それが、バイエルタール....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
ることはすでに前章に述べたるがごとし。さればかの国権論派の一後胤たる自由論派と相
隔絶することは自然なりと言うべきか。この二論派はともに欧米の文物を取りて日本の改....
「風博士」より 著者:坂口安吾
スクに逢着するのである。この珍奇なる部落は、人種、風俗、言語に於て西欧の全人種に
隔絶し、実に地球の半廻転を試みてのち、極東じゃぽん国にいたって初めて著しき類似を....
「故郷」より 著者:井上紅梅
なって船底のせせらぎを聴き、自分の道を走っていることを知った。わたしは遂に閏土と
隔絶してこの位置まで来てしまった。けれど、わたしの後輩はやはり一脈の気を通わして....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いらしい。また、その占領軍の一人ぎめの気風によって宝塚は伝説化され、一般の人間と
隔絶して、生きながら神話の宮殿で特別興行をしているようなオモムキである。つまり伝....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
気の夢……」 竜次郎はぎょっとせずにはいられなかった。 交通不便の時代には、
隔絶している人の安否を気遣うのが、今よりも深甚に迫るので有った。電信電話郵便の無....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
か?」 「そうだ、大小合して七、八つはあるらしい。その何百、何十万年かはしらぬが
隔絶した島のなかを、君は一番覗きこみたいとは思わないかね」 と、なにやら仄めか....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
播磨の佐伯部はもと武尊捕虜の後と称すといえども、かつては山間に幽棲して、全く世と
隔絶し、久しくその存在をすら忘れられたりきと伝うるなり。また仁徳天皇朝には、摂津....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
代までも多く取り遺されていた事は前に述べた通りである。けだし彼らはその地が海岸に
隔絶して、他と交通が少かったのと、一つは豊富なる漁利によって、他の脅威を受くる事....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
国と言う。その果たして然るや否やは容易に断ずるを得ざるも、天然の嶮によりて世界と
隔絶し、別に一|乾坤をなして自ら仏陀の国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべき....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
歓楽境に変じているのであるが、その山の手式の気分と下町式の色調とが、何等の矛盾も
隔絶もなしに、あの一筋の街上に不思議にしっくりと調和し融合して、そこにいわゆる神....