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「障り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

障りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
つぞや大殿様が、二条大宮の百鬼夜行《ひゃっきやぎょう》に御遇いになっても、格別御障りのなかった事が、洛中洛外の大評判になりますと、若殿様は私《わたくし》に御向い....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
為か一向わからなかった。しかし今日考えて見れば、それは今人を罵るよりも確かに当り障りのなかった為である。 若楓 若楓《わかかえで》は幹に手をやっただ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
こで肝腎《かんじん》の話と云うのは、その新蔵《しんぞう》と云う若主人が(ほかに差障りがあるといけませんから、仮にこう呼んで置きましょう。)二十三の夏にあった事で....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
から、鰐の牙が、脊筋と鳩尾へ噛合いましても、薄紙|一重透きます内は、血にも肉にも障りません。 侍女三 入道も、一類も、色を漁るのでございます。生命はしばらく助り....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
って行こうとする、家主に、縋るがごとく手を指して、 「さて……や、これはまたお耳障り。いや就きまして……令嬢に折入ってお願いの儀が有りまして、幾重にも御遠慮は申....
南地心中」より 著者:泉鏡花
たが、ちょっと白い指で圧えながら、その花簪を抜いたはどうだい。染分の総だけも、目障りになるまいという、しおらしいんだね。 (酒だ、酒だ。疾くせい、のろま!)とぎ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
我……病気だと思ったらどうです。怪我や病気は誰もする。……その怪我にも、病気にも障りがなくって、赤ちゃんが、御免なさいよ、ま、出来たとする。昔から偉人には奇蹟が....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
すわけには参りませんか。 こんな事を申しましてお聞上げ……どころか、もしお気に障りましては恐入りますけれども、一度旦那様をお見上げ申しましてからの、お米の心は....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
るきを遊ばすのはお毒でございます。それはお出し申されません。ねえ?」 「お身体に障りましては大変ですとも。どうして、どうして、お出し申すことではございませんよ。....
黒百合」より 著者:泉鏡花
「あの、こう申しますと、生意気だとお思いなさいましょうが、」 「何、」 「お気に障りましたことは堪忍して下さいまし、お隠しなさいますお心を察しますから、つい口へ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
が、昔は暗い上に八つ口だけの赤い、真黒な「くろも」というものを着附けていたので目障りではなかった。あるいは木魚や鐘を使ったり、またバタバタ音を立てるような種々の....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
小雨が晴れて日の照るよう、忽ち麗なおももちして、 「こう申してもやっぱりお気に障りますか。貴下のお姿を見て、心持が悪くなったと言いましたのを、まだ許しちゃ下さ....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
たるものなれば、金魚麩のようにて欲くもあらねど、吠えても嗅いでみても恐れぬが癪に障りて、毎夜のごとく小屋をまわりて怯かす。時雨しとしとと降りける夜、また出掛けて....
三枚続」より 著者:泉鏡花
には突懸らず、ひょろついた揚句が大道へ筋違に寝て、捨鐘を打てば起きて行くまで、当障りはないからであったに、その夜は何と間違ったか、門附の天窓は束髪のまま砕けて取....
活人形」より 著者:泉鏡花
り。この幻影譬えば月夜に水を這う煙に似て、手にも取られぬ風情なりき。 折から畳障りの荒らかなる、跫音彼方に起りぬれば、黒き髪と白き顔はふっと消え失せ、人形はま....