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「隠居仕事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隠居仕事の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二老人」より 著者:国木田独歩
うにするが得《とく》だ、叔父《おじ》さんが出る気さえあればきっと周旋する、どうせ隠居仕事のつもりだから十円だって決して恥ずるに足らんと言ったくせに、今度はどうだ....
縮図」より 著者:徳田秋声
が、ここで食べた鰹の味はいつまでも忘れることができないであろう。 医院が院長の隠居仕事なので、看護婦の体も閑で、彼女の部屋はだだっぴろい家族の住居から離れたと....
創作人物の名前について」より 著者:夢野久作
作者の道楽かもしくは、お庭の石を彼方此方と動かしては眺めるのと同じ格の一種の隠居仕事かも知れないと思われる。 妙なものと云おうか、又はありがたい事と云おう....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いのない処で、将棊は素人の二段の腕を持ち、碁は実際初段うてた。それ等がたよりで、隠居仕事の寮番という処を、時流に乗って、丸の内辺の某|倶楽部を預って暮したが、震....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うらい》だ、お関所も時勢につれて、身代が左前になったから、こっちの方へ引込んで、隠居仕事に関代《せきだい》をかせいでいるのかも知れない――などと、米友が予想しな....
光は影を」より 著者:岸田国士
ていたゞくことです。もしそういうお気持があれば、僕からこれと思う人に話して、まあ隠居仕事とでもいうようなポストを探してもらいます。これだけは是非、僕たちのために....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ました。 こういう時には私の父は、前にも申した通り、至って忠実な人であるから、隠居仕事に学校|最寄りの方面を方々と探して歩きました。 それでもなかなか格好な....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
屋から借りては面白いものは丸写しか抜写しをしたものだ。殊に老人のある家では写本が隠居仕事の一つであったので、今はモウ大抵|潰されてしまったろうが私の青年時代には....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
くろも、もうすこし辛抱していてもらえてえ。おいらが一人前の瓦職になるまであ、ま、隠居仕事だと思って、この石場の番人をつとめていてくんねえよ。なあに、おいらだって....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
はまたほたりと微笑んだ。息子に、今年の春、嫁が出来て、すっぱりと店を譲ったので、隠居仕事の気楽さに、永年の望みだったのを、今年はじめて苗から育てた、と言うのであ....