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隠者
「隠者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
隠者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
器用や生《なま》かじりの学問で、でっちあげたものじゃげえせん。そこが大きに蓑笠軒
隠者《さりゅうけんいんじゃ》なんぞとは、ちがうところさ。」
馬琴の経験によると....
「或る女」より 著者:有島武郎
い不思議な幻影でも見るように、電気灯の緑の光の中に立つ二人の姿を、無常を見ぬいた
隠者《いんじゃ》のような心になって打ちながめた。
四五
この事があった日か....
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
ことは断然|止《よそ》うという動議を提出した、その議論は何も自からこんな思をして
隠者になる必要はない自然と戦うよりか寧《むし》ろ世間と格闘しようじゃアないか、馬....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
品の力を与えた点に対して敬意を表すべきである。シナ歴史は、熱心な道教信者が王侯も
隠者も等しく彼らの信条の教えに従って、いろいろな興味深い結果をもたらした実例に満....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
株式会社と列んで白煉瓦の事務所を構える事が出来る。 ▲上司小剣君は日本の文士の
隠者生活を何時までも保存したいと云ってる。が、文人が之まで
隠者生活を送っていられ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
活して群集と伍し、直接時代に触れなければならぬ。然るに文人に強うるに依然清貧なる
隠者生活を以てし文人をして死したる思想の木乃伊たらしめんとする如き世間の圧迫に対....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
であるか、ということに対する好奇心に、ゆすぶられた次第であった。 爾来、私は、
隠者のような生活をしている。今も私の身体は、ときどき人間たちの眼に見えなくなるよ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
紫玉は我知らず衣紋が締った。……称えかたは相応わぬにもせよ、拙な山水画の裡の
隠者めいた老人までが、確か自分を知っている。 心着けば、正面神棚の下には、我が....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
した。のみならず時々短い言葉に人生のカリカテュアを描いたりした。僕はこの屋根裏の
隠者を尊敬しない訣には行かなかった。しかし彼と話しているうちに彼もまた親和力の為....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
、立状にちょっと私を尻目にかけて、炉の左の座についた一|人があります――山伏か、
隠者か、と思う風采で、ものの鷹揚な、悪く言えば傲慢な、下手が画に描いた、奥州めぐ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
見い見い云った。 「白昼に龕燈をともしなどして、奇行をして世間を歩き廻っている、
隠者のような老人とのことで。……勘兵衛めがそう云いましたよ。今日も夕方この近くの....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ざいましょう」 「その私はどうかというに、浪人組を解散して以来、ずっと古屋敷に、
隠者のように生活していた。日課とするところは、道了塚へ行って、我々の罪悪の犠牲に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
当時の官報局は頗る異彩があった。局長が官界の逸民たる高橋健三で、翻訳課長が学界の
隠者たる浜田健次郎、その下に古川常一郎、陸実等、いずれも聞ゆる曲者が顔を列べ、而....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
坊主が沢山ある。そういう窟屋に住んで居りながら金を沢山拵えることを考えて、己れは
隠者という名義をもって財産を集めるところの手段にして居る似非坊主が沢山あるもので....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
代芸術の特色、その『金葉』『詞花』への反映は和歌の危機を意味する 三 藤原俊成、
隠者文芸、『千載集』、その特色、抒情性の優位、幽玄 四 西行法師、『山家集』、実....