隣村[語句情報] » 隣村

「隣村〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

隣村の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
聴きに行こうのと近所の女共が誘うても、民子は何とか断りを云うて決して家を出ない。隣村の祭で花火や飾物があるからとの事で、例の向うのお浜や隣のお仙等が大騒ぎして見....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ことが、何となしうれしく楽しくなってきた。 太陽はまだ地平線にあらわれないが、隣村のだれかれ馬をひいてくるものもある。荷車をひいてくるものもある。天秤の先へ風....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
を澄ませば、夜はようやく更けていよいよ静かだ。 表通りで夜番の拍子木が聞える。隣村らしい犬の遠ぼえも聞える。おとよはもはやほとんど洗濯の手を止め、一応|母屋の....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
らべて寝る。姉は予がくるたびにいつでもそうであるのだ。田畑のできばえのことから近隣村内のできごとや、親類のいざこざまで、おもしろかったこと、つまらなかったこと、....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
鉱山の人々も、びっくりしてしまった。その事実とは、一体何事であったろうか。それは隣村で起ったことであった。 隣村を白根村という。この白根村は、雑穀のできる農村....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
母が一人、それもお婆さん。第一近い処が、今内に居る、松やの阿母だといって、この間隣村から尋ねて来た、それも年より。なぜあんなに恐ろしかったか、自分にも分らぬくら....
星女郎」より 著者:泉鏡花
へ高く居直る。 行者は、掌で、鐸の蓋して、腰を張って、 「さればその儀で。――隣村も山道半里、谷戸一里、いつの幾日に誰が死んで、その葬式に参ったというでもござ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
内部の擾乱を計っていることだ。そうして二言目には手を動かして辮子を剪った。聴けば隣村の通い船を出す七斤は途中で引掴まって、人間らしくないような体裁にされてしまっ....
風波」より 著者:井上紅梅
リンネルの長衫を著て、ちょうど今|独木橋の上を歩いて来るのであった。 趙七爺は隣村の茂源酒店の主人である。五里四方の内ではたった一人の図抜けた人物で兼ねてなか....
競馬」より 著者:犬田卯
と、その中の一頭は彼の知っている、そして彼のもっとも贔屓にしているタカムラという隣村の地主の持馬だった。 相手の馬もたいてい知っていた。ただ一頭新しいやつが加....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
ぶらぶらしている女房からそんなことが伝えられた。洋服を着た周旋屋がきょろきょろと隣村の停車場から下車して、この部落へも姿を現すのを彼とて知らぬわけはなかった。軍....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
百姓はなかなか勤勉であるし、次三男諸君も随分いるようである。 ちょうどそこへは隣村の失業農業技術員Kという青年が来合せていた。男爵はすぐにこのKへ親しみの視線....
橋の上」より 著者:犬田卯
。 さぶちゃんは村の子供達の総大将となって学校への往復を独裁していた。ある時は隣村の生徒達を橋上に要撃し、ある時は女生徒の一群を襲って、その中の、娘になりかか....
迷信解」より 著者:井上円了
、ときどきだまされて家に帰らざることがあると申しておる。ある日夕刻、一人の老僕、隣村に使いして帰路、この森林の傍らに通りかかりしに、日いまだ全く暮れたるにあらざ....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
援助を求めるようになり、佐太郎も村では数少い中等学校の卒業者というので、望まれて隣村の高等小学校に、毎日二、三時間の授業をうけもつようになつた。 その女子の高....