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雄勁
「雄勁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雄勁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
うにしてある陣羽織式の青海流の水着を脱ぐと下から黒の水泳シャツの張り付いた小初の
雄勁な身体が剥き出された。こういう職務に立つときの彼女の姿態に針一|突きの間違い....
「旅愁」より 著者:横光利一
あらゆる運動態の原型がここに蒐ったかと思ったほど、全系列をささえた稜線の荘重で、
雄勁果敢なおもむきに我を忘れて見惚れていた。
このルネッサンスに反抗したゴシッ....
「バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
々しい建造物の規模はもっていない。 散文家として比較すれば、鴎外の方が漱石より
雄勁である。漱石のよわさは、しかし彼の稟性の低さに由来するものではない。既に自然....
「あられ笹」より 著者:宮本百合子
線の特色を、専門ではどう表現するのか。即物的な柔軟さ、こわばったところのない暖く
雄勁な筆致で、対象にひたひたとよって行く感じは、まことに立派に思えた。自分という....
「政治と作家の現実」より 著者:宮本百合子
暖かい具体性、肺腑にしみ入って人々にソヴェト市民たる価値と歓喜とを自覚させるあの
雄勁なリズムは、ソヴェト市民が、誇りとするにたりない詩であるだろうか。雄々しくそ....
「ケーテ・コルヴィッツの画業」より 著者:宮本百合子
よろこびのために負うている一つの義務として、個人の才能を理解したループ祖父さんの
雄勁な気魄は、その言葉でケーテを旧来の家庭婦人としての習俗の圧力から護ったばかり....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
ゆるやかな傾斜で蜒々と荒れるに任されていた甃廻廊の閑寂な印象。境内一帯に、簡素な
雄勁な、同時に気品ある明るさというようなものが充満していた。建物と建物とを繋いだ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
本質なのね。「よくぞ生れ来たる」この詩は抒情歌の形でかかれてはいますが、実質には
雄勁なものが一貫している作品ですね。反対に、テーマが
雄勁であり得ているからこそ抒....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
い美味な葡萄酒のように花の姿はかっちりと充実し、舌の上に転ばす味の変化をふくみ、
雄勁です。花への傾倒は感傷するには余りゆたかという風趣なのです。その味いも決して....
「文学精神は言う」より 著者:豊島与志雄
流通させるように、窓や壁の配置が考慮されるだろう。而もそれら一切のことが、簡便と
雄勁と美とのうちに企画されるだろう。――そういう建築のことを想うのは楽しい。それ....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
。 葛飾北斎は江戸の町を柱暦を売り歩いていた。 北斎といえば一世の画家、その
雄勁の線描写とその奇抜な取材とは、古今東西に比を見ずといわれ、ピカソ辺りの表現派....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
家である。毎朝|谷中から老体を運んで来て描いてくれた。下座敷の襖六枚には蘆に雁を
雄勁な筆で活写した。雁の姿態は一羽一羽変化の妙を極めているが、放胆な気魄を以て、....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
銀世界』及び『狂月望《きょうげつぼう》』等の絵本において石燕風《せきえんふう》の
雄勁《ゆうけい》なる筆法を示したり。摺物《すりもの》扇《おうぎ》地紙《じがみ》団....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
しと共に、奇妙にのんきな、それでいて力強い、かなり緊張した印象を与える。簡素で、
雄勁で、警抜である。百済観音について言ったような直線と直線に近い曲線とが全体を形....