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「雄図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雄図の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
ジョセフィヌただ一人であった。 彼の肉体に植物の繁茂し始めた歴史の最初は、彼の雄図を確証した伊太利征伐のロジの戦の時である。彼の眼前で彼の率いた一兵卒が、弾丸....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
り、諒闇の黒布を瞬く間に全天に覆うたり、摩天の白銅塔を見る間に築き上げては奈翁の雄図よりも早く微塵に打崩したり、日々眼を新にする雲の幻術天象の変化を、出て見るも....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
の科学知識を提供させて何かの重要計画の参考としていたようである。カイゼルは当時の雄図の遂行にできうるだけ多くの科学を利用しようとしたのではないかと想像される。そ....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
る。 「今や国政を一新し内外にわたる国策を断行し、輝しき躍進日本の姿を以て民族的雄図を行なわんとする時代に当面して、国民は一致団結、熱烈なる民族主義の旗の下に邁....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
められました。 そうして、福井の足羽山で呼び起された柴田陥落の悲劇だの、太閤の雄図だの、実際に於ての想像を追うて行くうちに、不思議と、北の庄の城から送られて来....
魔都」より 著者:久生十蘭
この愛すべき田舎者は都会に不向きなその誠実のゆえに、ある卑劣な目的に利用され、雄図空しく、まもなく眼もあてられぬ惨殺体となって街上に横たわることになるのだが、....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
、日本人の度量は、太平洋よりも広いんだ、昔から日本人は海外発展に志して、落々たる雄図をいだいたものは、すこぶる多かったのだ、この山田という人は通商のためか、学術....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
衝突もないのに僚友の引留むるを振払って帰朝してしまった。川島は満洲朝の滅亡と共に雄図|蹉※し、近くは直隷軍の惨敗の結果が宣統帝の尊号|褫奪宮城明渡しとなって、時....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
絶景を形容するに用いる言葉であろう。 万里の波濤を俯瞰し睥睨する大ホテル現出の雄図、空しく挫折した石橋弥七郎氏の悲運に同情するもの、ただひとり故柳田青年のみな....
三国志」より 著者:吉川英治
の劉表を味方にしても、大局は決しますまい。何となれば、彼には大国大兵はあっても、雄図がありません。ただ国境の守りに怯々たる事なかれ主義の男です。――あんな者に労....
三国志」より 著者:吉川英治
、孔明の落胆はいうまでもないことだが、その嘆きはかえって、この時の第六次|出師の雄図をしてさらにさらに、愁壮なものとしたことも疑われない。 漢中に勢揃いをし、....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
いことになっている。既成仏教の迷信を嫌い、気がよくて、情にもろく、しかも国際的な雄図も抱いているという坊さん頭である。画家も描きにくいことだろうと思う。 いっ....