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「雄心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雄心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
兄たち」より 著者:太宰治
行きてふたたび帰らざる人をまことのわれと思ふや。」というような鬱勃《うつぼつ》の雄心を愛して居られたのではないかと思われます。いつか鳩《はと》に就いての随筆を、....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
しむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な未開の天地は、いかに雄心勃々《ゆうしんぼつぼつ》たる天下の自由児を動かしたであろう。彼らは皆その住み....
新生」より 著者:島崎藤村
。仮令《たとえ》この兄の得意の時代はまだ廻って来ないまでも勃々《ぼつぼつ》とした雄心は制《おさ》えきれないという風で、快く留守中のことを引受けたばかりでなく、外....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
s)も、そは、別けて知恵優れし神なりき。 エオスはアストレオスと契りて、制し難き雄心に勇む風の神を生みぬ。 ゼフューロス(Zefyros)(注二)は息吹きも暴し....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
えば、独眼竜伊達の政宗が世にありし日、恐るべきその片眼を以て奥地のこの一角から、雄心勃々として天下の風雲をのぞみつつ、遙かに日之本六十余州を睥睨していたと伝えら....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
自身がリップ・ヴァン・ウィンクルであるかのような戯談を聞くこともある。でも先生の雄心は年と共に銷磨し尽すようなものでもない。客が訪ねて行くと、談論風発する。 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
向に動いて来ている。彼も自分の弟子を知らないではない。古代の日本人に見るような「雄心」を振るい起こすべき時がやって来た、さもなくて、この国|創まって以来の一大危....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
汽車が開通した※別なんぞは最早久恋の地では無い。其身斗満の下流に住みながら、翁の雄心はとくの昔キトウスの山を西に越えて、開闢以来人間を知らぬ原始的大寂寞境の征服....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ゅはく》、小関《おぜき》大学の二人を京へ遣ったが、政宗の此頃は去年大勝を得てから雄心|勃々《ぼつぼつ》で、秀吉東下の事さえ無ければ、無論常陸に佐竹を屠って、上野....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
具体的な気持があるのである。この種のものには、「天地に少し至らぬ丈夫と思ひし吾や雄心もなき」(巻十二・二八七五)、「大地も採らば尽きめど世の中に尽きせぬものは恋....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
だって、支払うものですか。泥棒ですもの」 「まさに御説の通りですとも。それゆえ、雄心ボツボツ。支払う筈のない旦那方に、必ずや支払わせてみせるというタノシミが生れ....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
ら、拙者もひとつ新トリックを工夫して、未見の友に挑戦してやろうというボツボツたる雄心を起すに相違ない。クリスチー、クィーン、横溝ほどの天才がない限り、職業作家に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
同に異存のあろう筈はない。船長畑中の気風に心服している一同でもあるから、たちまち雄心ボツボツ、はやる胸をジッと抑えて、何食わぬ顔で祖国へ上陸したが、手筈は充分に....
次郎物語」より 著者:下村湖人
今から考えてみると、それは、愛にうえている自分のみじめさに腹がたち、子供らしい英雄心理で自分をごまかしていたにすぎなかったのだ。むろん、ぼくは、「愛されたい願い....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
なくてはいかぬ。僕はこの点は過激派のために惜しむね。むしろこの点はフランス流の英雄心の高調や、新理想主義の加味せられたサンヂカリズムが面白いと思うね」 「太閤さ....