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「雌鶏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雌鶏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:犬田卯
て引っ込んでいればいいんだ。何のかんのと差出がましいこと言うのを、俺の方の村では雌鶏めとき吹くって笑うんだ。雌鶏とき吹くとその家に災難があるって、昔からこの辺で....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の五月頃だと覚えて居ります。十羽ほどの鶏を籠に入れて、売りに来た者がありまして、雌鶏と雄鶏のひと番いを買いましたが、雌鶏の方は夏の末に斃ちてしまいまして、雄の方....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
きこえた。 家内の娘が戸をあけると、二、三人が内をのぞいた。俵のかげから一羽の雌鶏がひらりと飛び出した。 「むむ、鶏か。」と、かれらは笑った。そうしてそのまま....
金持ちと鶏」より 著者:小川未明
金持ちは、かごの中に入っている鶏を見ました。それは、背の低い、ごま色の二|羽の雌鶏と、一|羽のあまり品のよくない雄鶏でありました。 「これがそんなに卵を産むの....
博物誌」より 著者:岸田国士
脚を揃えて、いきなり鶏小屋から飛び下りて来る。 こいつは地味な粧いをした普通の雌鶏で、金の卵などは決して産まない。 外の明るさに眼が眩み、はっきりしない足ど....
母の話」より 著者:岸田国士
ュ先生と同じ数だけのお伽話を知っています。鴉と狐の問答、驢馬と小犬の問答、雄鶏と雌鶏の問答などを残らず知っています。動物も昔は口をきいたということを人から聞いて....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
日盛りだのに、山の手の往来であるがためか、人の通って行く姿も見えない。と、一羽の雌鶏であったが、小さい鶏冠を傾けながら、近所の犬にでも追われたのであろう。啼きな....
不在地主」より 著者:小林多喜二
その晩は最後であり、それにゆっくり出来ると云うので、健は母親に云いつかって、裏で雌鶏を一羽つぶした。※からは、「兵隊さんに出すのだから」と云って、ようやく酒を一....
父の俤」より 著者:佐藤垢石
薪のはねる音が聞こえてくる。昧暗から暁へ移った庭へ、雄鶏が先へ飛び降りて、ククと雌鶏を呼んだ。 初夏とはいうけれど、時によっては水霜も降りるこの頃では、朝の気....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
な羞を帯びた顔付をしていた。その側には、トサカの美しい、白い雄鶏が一羽と、灰色な雌鶏が三羽ばかりあそんでいたが、やがてこれも裏の林の中へ隠れて了った。 小屋は....
可愛い女」より 著者:神西清
には彼女は自分の身を、鶏小屋に雄鶏がいないとやはり夜っぴて眠らずに心配しつづける雌鶏にひきくらべてみるのだった。クーキンはモスクヴァで手間どって、帰るのは復活祭....
女生徒」より 著者:太宰治
ちゃった。こんな所へ来て、こっそり髪をつくってもらうなんて、すごく汚らしい一羽の雌鶏《めんどり》みたいな気さえして来て、つくづくいまは後悔した。私たち、こんなと....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
それは、ポーラとの結婚を祝する座員ばかりの水入らずの宴会の席で、ポーラがふざけて雌鶏《めんどり》のまねをして寄り添うので上きげんの教授もつり込まれて柄にない隠し....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
そ》んでいるかに驚かされる。僕はたびたび見たが、雛《ひな》を養《やしな》っている雌鶏《めんどり》の傍《かたわら》に、犬猫《いぬねこ》がゆくと、その時の見幕《けん....
十二支考」より 著者:南方熊楠
られたんだろ。 故マクス・ミュラー説に、鸚鵡《おうむ》すら見るに随って雄鶏また雌鶏の声を擬し、自ら見るところの何物たるを人に報《しら》す。それと等しく蛮民は妙....