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雑仕
「雑仕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑仕の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放送された遺言」より 著者:海野十三
に、その沿道に二個師団の兵士と三千人の警官とを集中したのであった。私が古なじみの
雑仕婦の欲心と弱き女性の同情をねらうことを知らなかったなら、穴倉ながら今のように....
「足迹」より 著者:徳田秋声
毛布を着てごろりと転がっていた。床の上には、蓙を敷いて幸さんも寝ていた。看護婦と
雑仕婦とが、体温を取ったり、氷の世話をしたりしている。朝の病院は、どの部屋もまだ....
「道標」より 著者:宮本百合子
の痛みを感じた。ベッドのわきの小テーブルの上にあるベルを鳴らして便器をもらった。
雑仕婦が用のすんだ便器をもって病室を出てゆくと、隣りのベッドの上に起きあがってい....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
もう一人居た、散切で被布の女が、P形に直立して、Zのごとく敬礼した。これは附添の
雑仕婦であったが、――博士が、その従弟の細君に似たのをよすがに、これより前、丸髷....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
施薬や小春寺 冬の夜や小犬啼きよる窓明り 僧定に入るや豆腐の氷る時 耳うとき嫗が
雑仕や冬ごもり 書を積みし机二つや冬ごもり 門前の籾を踏まるゝ十夜かな 横はる五....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
女はもう周囲のことには何にも注意を向けていないらしかった。
サンプリス修道女は
雑仕婦をやって、市長は帰ってこられたか、そしてすぐに病舎にこられるかどうかを、工....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
身につけてる彼女と口を利くのが、ひそかな慰安でないこともなかった。 彼女は私の
雑仕夫的な仕事には無関心な代りに、いろいろな物をくれた。お留さんが持ってくる時は....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
つは羨しくなったのです。それで暇を取りましたが、看護婦にはなれないものですから、
雑仕婦になって、あちこち転々している由を人伝てに聞いているだけで何年か立ちました....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
君、帥ノ典侍、少将ノ内侍、尾張ノ内侍。――端には、夏引、今まいり、青柳などとよぶ
雑仕までが、こぼるる花かごのようにいたのである。 御笛の間、笛の歌口におん眼を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
っしゃられては」 「また、お内儀もそのかみは、後宇多院のみ后、西華門院のお内で、
雑仕の卯木と仰せありし小女房でおわしたの」 「……はい。もうおつつみは申しませぬ....