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雑具
「雑具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑具の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いまして、以前は殯室だったのでございます。しかし、現在では改装されておりまして、
雑具を置く室になっておりますが」
ところが、広間を横切って廊下を歩んで行くにつ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にかかると、道は細く、橋は破壊してある。警固の人数が引き退いたあとと見えて、兵糧
雑具等が山間に打ち捨ててある。浪士らは木を伐り倒し、その上に蒲団衣類を敷き重ねて....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
しているほど穢い家の中は、窓が少いので非常に暗い。 三坪ほどの土間には、家中の
雑具が散らかって、梁の上の暑そうな鳥屋《とや》では、産褥《さんじょく》にいる牝鶏....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
は銅器にて腹のふくらみたるも交れり。絵具入になりおる小さき箪笥。その上には色々の
雑具を載せあり。その内に小さき鏡、コニャック一|瓶、小さきコップ数個、紙巻莨を入....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なければならない。それから男の雇人と、庭師といったようなもの、それに準じての家財
雑具――それをいいかげんに七兵衛が胸算用《むなざんよう》をしては、次から次へと並....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そのまま引返す米友ではありません。ことに右の放たれたる馬には、長浜で買入れた家財
雑具はいうに足らないとしても、たったいま両替したばっかりの何千というお金が、確実....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
取詰めて来ようという形勢で、このままに捨てて置けば、この山寨は残らず占領の、家財
雑具は挙げてそっくり盗賊のために掠奪てなことになりますから、さすがの胆吹御殿のつ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
木のむき出しになった凡そ美というイデーとかかわりのないものであった。部屋の隅には
雑具が物置のようにつまれたままで、床もなく、畳は汚れて古く、他所の屋根瓦の外には....
「活人形」より 著者:泉鏡花
い。待て、一番家内を検べて見よう。その死骸はな、よく死んだことを見極めて、家内の
雑具部屋へ入れておけ。高田|様、貴下も御迷惑であろうが手伝って下枝を捜して下さい....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
ぐ別室の入口の戸で、戸を開けば玄関である。壁際や、暖炉の周辺には病院のさまざまの
雑具、古寐台、汚れた病院服、ぼろぼろの股引下、青い縞の洗浚しのシャツ、破れた古靴....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
きものをも作ります。材料の良さと腕の良さとで、仕事は見事であります。ただの農具や
雑具と見過ごすべきではありません。 和賀郡の成島には古くから紙漉の業が伝わりま....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
。それ故恐らくこれに一番近い言葉は「雑器」という二字です。昔はこれ等のあるものを
雑具とも呼びました。 したがってかかるものは富豪貴族の生活には自然縁が薄く、一....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、ここへ鰊を乾すのであります。」 「この小屋は。」 「これは納壺であります。網や
雑具を入れるのであります。」 その外に大きな釜が二つずつぐらい据えっぱなしで、....