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「雑魚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雑魚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
い間のた打ち廻っていた。 三 夜が明けて、文吉は天王寺市民病院へ担ぎ込まれた。雑魚場から帰ったままの恰好で順平がかけつけた時は、むろん遅かった。かすかに煙を吹....
高野聖」より 著者:泉鏡花
あ》さん、件《くだん》の人参と干瓢の話を旅僧が打出すと、にこにこ笑いながら、縮緬雑魚《ちりめんざこ》と、鰈《かれい》の干物《ひもの》と、とろろ昆布《こんぶ》の味....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
い、口惜いが、袖や袂を払いた音。 (やれ羽打つ、へへへ、小鳥のように羽掻を煽つ、雑魚のように刎ねる、へへ。……さて、騒ぐまい、今がはそで無い。そうでは無いげじゃ....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
の上に、睡りもやらぬ一夜を送った其の翌朝のことだった。事件急迫のために、宿直室で雑魚寝をしていた係官一同は「カフェ・ネオンに第三の犠牲者現わる」という急報に叩き....
食魔」より 著者:岡本かの子
少年の鼈四郎にとってまたあまりに寂しいものであった。「雨降りあとじゃ、川へいて、雑魚なと、取って来なはれ、あんじょ、おいしゅう煮て、食べまひょ」継ものをしていた....
少年探偵長」より 著者:海野十三
賊はとっつかまったんですか」 「ところが、泰山鳴動して鼠一匹でね。つかまったのは雑魚ばかり。大物はみんな逃げてしまったということです」 「それは残念なことをしま....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
にいささかなものでござっての、お腰元衆など思うてもみられまい、鉤の尖に虫を附けて雑魚一筋を釣るという仙人業をしまするよ。この度の娘の父は、さまでにもなけれども、....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
「――鱧あみだ仏、はも仏と唱うれば、鮒らく世界に生れ、鯒へ鯒へと請ぜられ……仏と雑魚して居べし。されば……干鯛貝らいし、真経には、蛸とくあのく鱈――」 ……時....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
を被った……このあたり浜から出る女の魚売が、天秤を下した処に行きかかって、鮮しい雑魚に添えて、つまといった形で、おなじこの蕈を笊に装ったのを見た事があったのであ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ずるより外はなかった。そしておれはまた掬われたなと感じた。ちょうど手網にかかった雑魚のようにも思われたからである。 こういうような敏捷な行動で、泡鳴は人生の機....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
かた今日までに、おおよそのところは調べ上げました。ただ私といたしましては、細かい雑魚などはどうでもよい、大きな鯨をにがしたくないので。それで今まで大事をとって、....
謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
いるところです。 うしろの川には小魚が沢山泳いでいて、子どもたちは毎日そこで、雑魚掬いや、蟹つりに懸命になっているのですが、水はごく浅くて、入ってみてもやっと....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の帯の八橋を、転げた上で泳ぐがごとき、大それた溺れよう。肝魂も泥亀が、真鯉緋鯉と雑魚寝とを知って、京女の肌を視て帰って、ぼんやりとして、まだその夢の覚めない折か....
塩昆布の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
どを入れるのもいい。または関西ものの「ちりめんじゃこ」をいっしょに煮るのもいい。雑魚という原料の相違によって、東京のは例え昆布がよくても問題にならない。雑魚と昆....
放浪」より 著者:織田作之助
て永い間のた打ち廻っていた。 夜が明けて、文吉は天王寺市民病院へ担ぎ込まれた。雑魚場から帰ったまゝの恰好で順平がかけつけた時は、むろん遅かった。かすかに煙を吹....