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雛
「雛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ったまましばらく二人《ふたり》を見くらべていたが、
「ようよう……変てこなお内裏
雛様《だいりびなさま》」
と陽気にかけ声をして笑いこけるようにぺちゃんとそこに....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「おいしいものが、直ぐにあとから、」 「綱次姉さん、また電話よ。」 と廊下から
雛妓の声。 「あい、あい、あちらでも御用とおっしゃる。では、直き行って来ますから....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
り、虹が燃えるより美しかった。恋の火の白熱は、凝って白玉となる、その膚を、氷った
雛芥子の花に包んだ。姉の手の甘露が沖を曇らして注いだのだった。そのまま海の底へお....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
……微酔もそのままで、ふらふらと花をみまわしつつ近づいた。 巣から落ちた木菟の
雛ッ子のような小僧に対して、一種の大なる化鳥である。大女の、わけて櫛巻に無雑作に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と起きて、嬉しさに雀躍をしたんですが、貴僧、その中の一人は、まだ母の存命の内に、
雛祭の夜なくなりました。それは私も知っている―― 一人は行方が知れない、と言い....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
退いて、寂とした。ただだだっ広い中を、猿が鳴きながら走廻るように、キャキャとする
雛妓の甲走った声が聞えて、重く、ずっしりと、覆かぶさる風に、何を話すともなく多人....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
りりり……) あまり爪尖に響いたので、はっと思って浮足で飛び退った。その時は、
雛の鶯を蹂み躙ったようにも思った、傷々しいばかり可憐な声かな。 確かに今乗った....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ズ騒ぎさ、――今でいえば。 主婦に大目玉をくった事があるんだけれど、弥生は里の
雛遊び……は常磐津か何かのもんくだっけ。お
雛様を飾った時、……五人|囃子を、毬に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。江戸から持ってござっての、大事にさしゃった錦絵にそのままじゃ。後の節句にも、お
雛様に進ぜさした、振出しの、有平、金米糖でさえ、その可愛らしいお口よごしじゃろう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
竜神さんから伺って居ります……。ではお言葉に従ってこれからお邪魔を致そうか……。
雛子、この姨さまに御挨拶をなさい。』 そう言われると少女はにっこりして丁寧に頭....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
た快晴した。 昼は屋台が廻って、この玄関前へも練込んで来て、芸妓連は地に並ぶ、
雛妓たちに、町の小女が交って、一様の花笠で、湯の花踊と云うのを演った。屋台のまが....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とう、そのうち大きい卵が割れてきました。そして、 「ピーピー。」 と鳴きながら、
雛鳥が匐い出してきました。それはばかに大きくて、ぶきりょうでした。母鳥はじっとそ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
私に世話ばかり焼かせると、今度こそお前の命はないよ。お前なんぞは殺そうと思えば、
雛っ仔の頸を絞めるより――」 こう言いかけた婆さんは、急に顔をしかめました。ふ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
講演の終るべき時間が近づくと、見せて注意するというようにしたこともある。 よく
雛形を持ち出して説明をした。
雛形は紙や木で作ったこともあるが、馬鈴薯を切って作っ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
へ、浴衣の袖、裾、消々に、冥土のように追立てられる女たちの、これはひとり、白鷺の
雛かとも見紛うた、世にも美しい娘なんです。」 彫玉の技師は一息した。 「……出....