» 雛型

「雛型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雛型の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ょっと見ると非常識なやり方に見えますが、案外|怜悧なやり方で、人生に対する態度の雛型を一室の中で師匠と弟子とが実地のつもりで研究するのでありまして、いわば礼儀作....
噴水物語」より 著者:岡本かの子
はないでしょうか」 「これも理想を追求する人間意慾の現れと見るときには、あまりに雛型過ぎて笑止なおもちゃじみた事柄ですが」 「だが英国くらい昔から噴水に縁の無い....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に二十余章の舟唄を作らせた。そのうちには自作もあると云う。爾来、代々の藩侯も同じ雛型に因って同じ船を作らせ、同じ海に浮かんで同じ舟唄を歌わせた。 われわれが今....
人形の話」より 著者:折口信夫
はわかる。仕事が変わっただけである。 「ひひな」は普通は人間の形代であり、人間の雛型だから、それがけがれを吸収する。だからそれを棄てればよいのだと考えている。と....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
幸な、あるいは酬いられぬ恋であったとはいえ、恋を通して人間の霊魂の清めと高めとの雛型である。古くはあるが常に新しい――永遠の物語である。 恋には色濃い感覚と肉....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
る美しさを影響したことは争われない。年少時代には師友のひとつの個性、性格の生きた雛型程その力と美しさとを感染さすものは無いのだ。 この岸範一君と中村憲吉君とが....
婦人と職業」より 著者:倉田百三
解と感謝とに如何に大きな影響を持つかは思い半ばにすぎるものがある。人倫の根本愛の雛型である母子間の結紐を稀薄にすることが理想的社会の結合を暖かく、堅くするとはど....
観画談」より 著者:幸田露伴
学の教師の手伝をしたり、村役場の小役人みたようなことをしたり、いろいろ困苦勤勉の雛型その物の如き月日を送りながらに、自分の勉強をすること幾年であった結果、学問も....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
い? 勘違いとは何を申すか! まがいものをこしらえる以上は、真物をねこばば決めて雛型とったに相違ねえから、盗んで隠したその古島雛をあっさりこれへ出しゃいいんだ」....
回想録」より 著者:高村光太郎
を欲しがった。馬の活動している様なところは拵えず、静止している標本的な馬の実際の雛型を拵えようというつもりだったらしい。今でも東北に行ったら、その作品は沢山遺っ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の半を収め、朝鮮を併せ、南満洲に手を出し、布哇を越えて米国まで押寄する日本膨脹の雛型ででもあるように、明治四十年の二月に一反五畝の地面と一棟のあばら家から創めた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
巧を事としてはいけない、ただ崇高を事としなければいけない。この条件において理想の雛型《ひながた》は人類に与えらるる。 近代の理想は、その様式を芸術のうちに有し....
鉄の規律」より 著者:平林初之輔
られて、はじめて機能を営むことができるんだ。我々の党の組織は、将来の社会の完全な雛型《ひながた》で、そこには最も厳密な分業と協業とが行われている。我々はただ一つ....
雉子日記」より 著者:堀辰雄
くと、釘《くぎ》づけになった数軒の別荘の間から、私の前に突然、緑と赤とに塗られた雛型《ひながた》のように美しい三階建のシャレエが見え出した。南おもては一面の硝子....