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「雛市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雛市の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ごとにぬくみがまして江戸も二月の声をきくと、もう春が近い。 初午《はつうま》に雛市《ひないち》、梅見に天神祭り、二月の行事といえばまずこの四つです。 初午は....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
下を通ると、樹の根に一枚、緋の毛氈を敷いて、四隅を美しい河原の石で圧えてあった。雛市が立つらしい、が、絵合の貝一つ、誰もおらぬ。唯、二、三|町春の真昼に、人通り....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。 旅にある縫助はその日と翌日とを知人の訪問に費やし、出て来たついでに四条の雛市を見、寄れたら今一度正香のところへも寄って、京都を辞し去ろうという人であった....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いる。 あすは雛の節句で、十軒店《じっけんだな》や人形町《にんぎょうちょう》の雛市はさぞたいへんな人出だろうが、本郷弓町の、ここら、めくら長屋では節句だとて一....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
半七 ことしは余寒が強くないので大きに楽でございました。もう直きに彼岸が来る。雛市がはじまる。世間もだんだん陽気になって来ましょう。 十右衛 左様でございます....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
。 猛然として憶起した事がある。八歳か、九歳の頃であろう。雛人形は活きている。雛市は弥生ばかり、たとえば古道具屋の店に、その姿があるとする。……心を籠めて、じ....