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離す
「離す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
離すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
られる当然の悲しみや苦しみのほかにも)そこにそれらの人々を他の人々から截《き》り
離す一すじの溝《みぞ》は掘られている。それらの人々は阿呆《あほう》ではない。が、....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。」
太郎は、瓶子《へいし》を投げすてて、さらに相手の左の手を、女の髪からひき
離すと、足をあげて老人を、遣戸《やりど》の上へ蹴倒《けたお》した。不意の救いに驚....
「路上」より 著者:芥川竜之介
がて給仕女が一人、紅茶を持って来たのに気がついて、何気《なにげ》なく眼を林檎から
離すと、ちょうど入口の硝子戸が開《あ》いた所で、しかもその入口には、黒いマントを....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
「嘘をつけ。」
「離さないか。貴様こそ、――ああ、喉が絞《し》まる。――あれほど
離すと云った癖に、貴様こそ嘘をつく奴だ。」
「証拠があるか、証拠が。」
すると....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
よると、「それほどこの画がお気に入ったのなら、喜んで先生にお貸し申そう。しかし手
離すことだけは、ごめん蒙《こうむ》りたい」と言ったそうです。それがまた気を負った....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
くも金で埓《らち》の開く事ですが、ここにもう一つ不思議な故障があるのは、お敏を手
離すと、あの婆が加持も占も出来なくなる。――と云うのは、お島婆さんがいざ仕事にと....
「或る女」より 著者:有島武郎
自然な言葉だった。しかし倉地は反対に葉子の一語一語に酔いしれて見えた。
「だれが
離すか」
事務長の言葉はみじめにもかすれおののいていた。葉子はどんどん失った所....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
たものであるが、しかし我々の今日の知識とは全く合わないものである。また太陽から分
離するときに最大な赤道速度を得たような破片は、また最も小破片すなわち、衛星を投げ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
一面非常な不合理をも含んでいた。我等の理想社會は、經濟單位と生活單位とを完全に分
離するものである。 即ちそこでは、衣食住や育兒等の所謂家事勞働のすべては、部落....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
て恋した、生命を掛くるのみか、罪はまさに死である、死すともこの革鞄の片袖はあえて
離すまいと思う。思い切って鍵を棄てました。私はこの窓から、遥に北の天に、雪を銀襴....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
わ……あら、私ンじゃない。」 しごいて、引いて、幾重にも巻取るようにした指を、
離すと、すっと解けて頬を離れる。成程、渚のではない。その渚が――女だ、髪にはどこ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
うその破片に対して何んの未練もないのです。……それに彼女は、精神と肉体を完全に遊
離する術を知っています。だから、たとえ彼女が、私はあなたのものよ、と言ったところ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
朝一夕の所産でない。そは霊性の中に織り込まれたる綾であり、模様であり、両者を切り
離すことは、到底不可能である。就中畏るべきは習癖の惰力である。習癖は深く魂の中に....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
いのが一層高く見えるのである。 この刹那から後は、フレンチはこの男の体から目を
離すことが出来ない。この若々しい、少しおめでたそうに見える、赤み掛かった顔に、フ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に向い旋回し、先遣せる騎兵は敵の背後に迫る。若し何らかの事情に依り翼が中央から分
離する事があってもこれを中央に近接せしめた後、同時に包囲攻撃のため前進せしむる如....