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離れ離れ
「離れ離れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
離れ離れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
るらしい人は一人だって見当らないようだったが。……人間っていうものはやはりこんな
離れ離れな心で生きてゆくものなのだ。底のないような孤独を感じて彼女はそう思った。....
「親子」より 著者:有島武郎
んと火を見つめながら車座にうずくまっていた。そういう小屋が、草を積み重ねたように
離れ離れにわびしく立っていた。 農場の事務所に達するには、およそ一丁ほどの嶮し....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
台ほどもある広い檻の中には、頑丈な金網を距てて、とぐろを捲いた二頭のニシキヘビが
離れ離れの隅を陣取ってぬくぬくと睡っていた。その褐色に黒い斑紋のある胴中は、太い....
「獏鸚」より 著者:海野十三
なぜそれに気がついたかというとね、言葉の音というものを逆に聞くと、子音と母音とが
離れ離れになり、子音は隣りの母音と結び、母音はまた隣りの子音と結ぶということに気....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
鉄や石の中までも沁み込むと、すべての物体の分子は互いの連絡がゆるんで来て、遂には
離れ離れになる。そうして又、その暗黒が更に分子の奥底へ沁み込むと、今度は原子が分....
「小公女」より 著者:菊池寛
フ・クルウとは、少年時代には親友だったが、学校を出てから、印度で会うまで、ずっと
離れ離れだったのだからね。私は、大仕掛な鉱山の計画に没頭していた。あの男も夢中に....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
初の夏は巣鴨、二度目の夏は市ヶ谷、そして三度目の夏はここ千葉というように、いつも
離れ離れになっていて、まだ一度もこの月のその日を相抱いて祝ったことがない。胸にあ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
りお筆にかよっていた。お蝶の魂はやはり吉之助にかよっていた。 形とたましいとが
離れ離れになっていたところに、この悲劇の根がわだかまっていたらしいが、お筆も魂の....
「博物誌」より 著者:岸田国士
である。人間より早く走るのである。しかし、犬がいるのである。 それは、追われて
離れ離れになると、互いに呼び合うのである。しかし、それが猟師を呼ぶことにもなるの....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
りお筆にかよっていた。お蝶の魂はやはり吉之助にかよっていた。 形とたましいとが
離れ離れになっていたところに、この悲劇の根がわだかまっていたらしいが、お筆も魂の....
「荘子」より 著者:岡本かの子
ずその周囲に騒いで居た。鳴声が遠い汐鳴りのように聴えた。田野には低く夕靄が匍って
離れ離れの森を浮島のように漂わした。近くの村の籬落はまばらな灯の点在だけになり、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
…先刻、落こちてるお客をひろいに――御免なさい、貴方もお客様ですわね――私たち、
離れ離れに、あっちこっち、ぶらつきますうちに、のん気らしく、ここに寝転んでる人が....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
た。 追手の人々も同く村境まで走って来たが、折柄の烈しい吹雪に隔てられて、互に
離れ離れになって了った。其中でも忠一は勇気を鼓して直驀地に駈けた。が、咫尺も弁ぜ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ような様子を顕わして涙を流しながら帰って行きました。その時にその男の話に兄弟三人
離れ離れになって居ったけれども、後に一緒になって安全に故郷に帰って皆無事で暮して....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
、もしくは矢張り伴にはぐれたために呼び合う声であることが解る。そんなことで粂吉と
離れ離れになって終ったことも屡々あった。どうかするとつい近傍ではありながら、峰の....