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離散
「離散〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
離散の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
子は叔母にいいかげんな返事をしながらその声に耳を傾けていた。そして早月家の最後の
離散という事をしみじみと感じたのであった。電話はある銀行の重役をしている親類がい....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
《なりわい》として宿々に知り合いが出来るとなおこの街道から脱けられなくなり、家を
離散さしてから二十年近くも東海道を住家として上り下りしていると語った。 「こうい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人のほかに家来二人、中間三人、下女二人であったが、屋敷の滅亡と共に、皆それぞれに
離散した。 正式の届け出があった以上、町奉行所でも罪人伝蔵のゆくえ探索に着手し....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
へ歩みを進めているというのである。この必然の帰結を避けるためには、何か別に物質を
離散させるような力を想像する必要がある。 この点について最も明瞭な意見を述べて....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
近いが僕の去年の境遇では、僕がどこまでも精神上の清潔を保持するならば、僕の一家は
離散するのほかはなかったし罪悪と知って罪悪を犯した苦しさ悲しさは、いまさら繰り返....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
して」は前を見、後をおもんぱかるの意。「猶として」は疑いて行かざるの意。渙は物の
離散するをいう。敦は敦原の意。樸はあら木。渾は混に同じ、濁るかたち。 二三 慈、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
んは十九年頃のコレラで死んでしまって、お路久さんもつづいて死んだ。一家ことごとく
離散して、その跡は今や阪川牛乳店の荷車置場になっている。長唄の師匠と牛乳屋、おの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
れから十日を過ぎずして死んだ。 餅を買う女 宣城は兵乱の後、人民は四方へ
離散して、郊外の所々に蕭条たる草原が多かった。 その当時のことである。民家の妻....
「転機」より 著者:伊藤野枝
はめになって、ある者は再び惨めな村へ帰った。ある者は何のあてもない漂浪者になって
離散した。 M氏によって話される悲惨な事実は、いつまでも尽きなかった。ことに、....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
なら致し方がない。ともかくも新戸主としてのすべての僕の権利を遂行して、一方財産の
離散を防いで置いて、さらに僕の命をまって貰いたい。 来月の僕の手紙は足下から何....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
無理に明けたところで観客の来る筈もない。座頭を突然にうしなったこの一座はほとんど
離散の悲境に陥ってしまったが、何分にもこの一件が解決しない間は、むやみにここを立....
「妖怪学」より 著者:井上円了
普通の見解にては物心その体全く異にして、その二者接合して人身生体を生じ、その二者
離散するに至れば死体となるという。その図、あたかも上のごとし。 甲図は物心相離....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
なければならないのである。そのうちに彼の鳥熊は帰阪したらしく、一座俳優の大部分は
離散して、福之丞は団十郎の門に入って市川|女寅となり、駒三郎も団十郎の門に入って....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
お花さんは十九年頃の虎列剌で死でしまって、お路久さんもつづいて死んだ。一家|悉く
離散して、その跡は今や坂川牛乳店の荷車置場になっている。長唄の師匠と牛乳商、自然....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して、ただに日本の民情、人心に適合すること難きのみならず、わが人心をしてますます
離散し、ややもすれば宗教と宗教との間に不和を生じ、一方には一国政治上の妨害となり....