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離縁
「離縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
離縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
眼を私の顔に据えると、低いながらも力のある声で、『どうもしない。一週間ばかり前に
離縁をした。』と、きっぱりと答えたじゃありませんか。私はこの意外な答に狼狽《ろう....
「或る女」より 著者:有島武郎
、「子猿」だけは引き取って子供同様に育ててやってもいいなぞといったりした。内田は
離縁した最初の妻が連れて行ってしまったたった一人《ひとり》の娘にいつまでも未練を....
「或る女」より 著者:有島武郎
して置きながら、今になってわたしの口から一言《ひとこと》の弁解も聞かずに、木村に
離縁を勧めようという人なんですから、そりゃわたし恨みもします。腹も立てます。えゝ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
取って、しみじみ、 「じゃ、私の、私の身体はどうなって?」 「訳は無い、島山から
離縁されて、」 「そんな事が、出来るもんですか。」 「出来ないもんですか。当前だ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
はできるものだ、いったん縁あって嫁いったものを、ただ財産がないという一か条だけで
離縁はできない、そういう不人情な了簡ではならぬといわれて、おとよさんはいやいや帰....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
れない。頃は旧暦の二月、田舎では年中最も手すきな時だ。問題に趣味のあるだけ省作の
離縁話はいたるところに盛んである。某々がたいへんよい所へ片づいて非常に仕合せがよ....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
厳格な先生様でございました。……ところで、今度のことが起きあがるしばらく前に、御
離縁になって、お気の毒な最期をおとげになった、問題の、夏枝様とおっしゃる奥様は、....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
の喜びと云うたら、並み大抵ではなかった。どうせ、無事に帰るつもりは無いて、細君を
離縁する云い出し、自分の云うことを承知せんなら、露助と見て血祭りにする云うて、剣....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
た桃の実は途中で振落して一つもない。 そりゃいいが、半年|経たない内にその男は
離縁になった。 だんだん気が荒くなって、※さんのたぶさを掴んで打った、とかで、....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
ようなことを極めたのは、誰だと、まあ、お思いだえ。 一遍婚礼をすりゃ疵者だの、
離縁るのは女の恥だのッて、人の身体を自由にさせないで、死ぬよりつらい思いをしても....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も、矢張り懐胎の気配もないので、とうとう実家では我慢がし切れず、止むを得ないから
離縁して帰ってもらいたい、ということになって了いました。 二人の仲はとても濃か....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
身を不安心に思うかも知れぬ。もししからば、その最初の持参金だけは、将来不幸にして
離縁というようなことになれば返す、との証文を渡して置いてもよかろう。もっとも、こ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
そのときコックリは足をあげたり。よって、妻には色男あるものと信じ、家に帰りて早速
離縁したるものあり。愚民のこれを信仰する、かくのごとくはなはだしきに至れり。 ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
クリに向かってたずねたるに、情郎ありという答えを得たるをもって、ただちにその妻に
離縁を命じたりという。かくのごときの類、もとより一、二にしてとどまるにあらず。過....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
の資格がないから、何事も打ち開けて下さらないのでしょう。それなら已を得ませんから
離縁して頂きますわ、と云って、迫りました。 別れる気なんて毛頭ない夫の心を私は....