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難ずる
「難ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
者はなく、「売切れぬ内にお早く/\」と云っても、急いで買いに行く者はあるまい、と
難ずる人もあらんかなれど、講談社の如きヤシ的出版屋の広告はそれにしても、従来然ら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
様と云おうが、道義上あえて差支はない、かえって結構なくらいである。 そのこれを
難ずるゆえんは……曰く……言い難しだから、表向きはどこへも通らぬ。 困ったな、....
「青年」より 著者:森鴎外
弁護もして見る。要するに苦悩なるが故に芟り除かんと欲し、甘き苦悩なるが故に割愛を
難ずるのである。 純一はこう云う声が自分を嘲るのを聞かずにはいられなかった。お....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
抜け学者輩が予がかかる言を吐くを聞いては、人もあろうに博言学の開山ミュラー先生を
難ずると、それはそれはと大不敬罪でも犯したように譏《そし》るじゃろうが、孟子の曰....
「日輪」より 著者:横光利一
の娘の栄誉を彼女のために奪われた母親たちの誰一人として、香取の美貌と行跡について
難ずるものは見あたらなかった。何ぜなら、香取の父は長羅に殺された宿禰であったから....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ほどな快いひびきを持っている。そして一首は常識的な平板に陥らず、末世人が舌不足と
難ずる如き渋みと厚みとがあって、軽薄ならざるところに古調の尊さが存じている。これ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
断することは、或は至当であろう。然し上述の諸作品に対して、文学的「母線」の欠如を
難ずることは、的外れであろう。なぜなら、かかる作品は、在来の文学的観念から脱却し....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ょう》で、友人らに乗ぜられがちだった。彼らは彼を嘲《あざけ》り、皆の共通な態度を
難ずることを彼に許さず、意地悪く彼をからかってばかりいた。――クリストフは拳《こ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《みな》す。彼らの所説をとがめ、彼らの目的を疑い、彼らの内心を恐れ、彼らの良心を
難ずる。現在の社会状態に対抗して、悲惨と苦悩と不正と悲嘆と絶望とをうずたかく引き....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
へ傾いて行く。かかる事例は極めて自然に起りうるはずだ。 軽率に道義のタイハイを
難ずるなかれ。戦争といえばそれ一億一心、民主主義といえば、ただもう民主主義、時流....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
らず、ただこれに客を奪わるるを怨み、己れの短所を反省せずして政府当局の保護なきを
難ずる者が少なくありません。これでは兵書に、 「彼を知らず己を知らざれば戦う毎に....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
なにがし》なる個人を攻撃《こうげき》する考えは毛頭《もうとう》ない。法文の曲解を
難ずる意であって、僕は君子《くんし》ではないが、人の罪を憎《にく》んで、その人を....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
語の、音羽にも四ツ谷にも芝にも深川にもあるがごとし。かく言うは、あえて氏が取材を
難ずるにあらず。その出処に迷うなり。ひそかに思うに、著者のいわゆる近代の御伽百物....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
ているのである。今の語で言えば『論語』の起源成立に関する高等批判を欠いているのを
難ずるのである。してみれば剥解」と並び存し、人々の取捨折衷に委せられていたのであ....