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難義
「難義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二百十日」より 著者:夏目漱石
《つく》ってやろう」 「宿へつけば、どうでもなるんだが……」 「あるいてるうちが
難義か」 「うん」 「困ったな。――どこか高い所へ登ると、人の通る路が見えるんだ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
でない。にもかかわらず急ぎたい。気楽な宗近君などに逢《あ》っては立話をするのさえ
難義である。いっしょにあるこうと云われるとなおさら困る。 常でさえ宗近君に捕《....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
後《ご》台湾沖で難船した時などは、ほとんど魂に愛想《あいそ》を尽かされて、非常な
難義をした事がある。何《なん》にでも上には上があるもんだ。これが行き留りだの、突....
「草枕」より 著者:夏目漱石
い毛布《けっと》が動いて来るのを見ると、登ればあすこへ出るのだろう。路はすこぶる
難義《なんぎ》だ。 土をならすだけならさほど手間《てま》も入《い》るまいが、土....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
。飯は釜《かま》から杓《しゃく》って食った。高い二階へ大きな釜を揚《あ》げるのは
難義であった。余はここで橋本といっしょに予備門へ這入《はい》る準備をした。橋本は....
「野分」より 著者:夏目漱石
なって自分が生活に困難しているものだから、後悔して、さぞ先生も追い出されたために
難義をしたろう、逢《あ》ったら謝罪するって云ってましたよ」 「全く追い出されたた....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
認めて、残し置き、拙者は返金に差迫り、発狂して切腹致せしとお届けあらば、貴殿へ御
難義はかゝりますまい」 と云いながら硯箱を引寄せますゆえ、おいさは泣々蓋を取り....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
して、ぽっくり往生した。羨ましい死に様である。ある婆さんは、八十余で、もとは大分
難義もしたものだが辛抱しぬいて本家分家それ/″\繁昌し、孫曾孫大勢持って居た。あ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
入れがないから、是非なく、今晩二人の不義者を殺し、其の場を去らず切腹なし、殿様の
難義をお救い申そうと思うた事は※の嘴と喰違い、とんでもない間違をいたしました、主....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
るゝな、お辰様をいとしいとこそ思いたれ女房に為様なぞとは一厘も思わず、忍びかねて
難義を助たる計の事、旅の者に女房授けられては甚だ迷惑。ハハハヽア、何の迷惑、器量....
「水の女」より 著者:折口信夫
……」とある中の「若水沼間」は、全体何のことだか、国学者の古代研究始まって以来の
難義の一つとなっている。「生立」とあるところから、生物と見られがちであった。こと....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
の東の町であったが、弟子の琴之助が肺病に罹り余程の重態なれど、頼母しい親族も無く
難義すると聞き自宅へ引取やりしが、福円の妻女は至って優しい慈悲深き質ゆえ親も及ば....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
く》を粧い居《い》たりしも、予も均《ひと》しく人間なれば、その実|甚《はなは》だ
難義なりしなり、特に最終の登山前は、気象台との打合せ、または東京より廻送すべき荷....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
込んだのだかどうだか様子は分らねえが、何しても斯んな侍を打棄て置けば、多勢の人の
難義になると思ったから、板子を持ってそッと其の侍の後へ廻り、どやそうとすると、ひ....
「それから」より 著者:夏目漱石
な鼻の穴を見て羨《うらや》ましくなった。実を云うと、自分は昨夕寐つかれないで大変
難義したのである。例に依《よ》って、枕《まくら》の傍へ置いた袂《たもと》時計が、....