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「雨季〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雨季の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
思うくらいであった。 海城の北門外に十日ほど滞留していた時である。八月は満洲の雨季であるので、わが国の梅雨季のように、とかくに細かい雨がじめじめと降りつづく。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
まり面白くもなさそうだが、遠隔の地突込んで聞きもならず、其まゝに打過ぎた。 梅雨季は誰しも発狂しそうな時節だ。安達君から、 梅霖欝々、憂愁如水 などはがき....
光と風と夢」より 著者:中島敦
人だ。我々は昨夜、完全な感情の一致を見たと思う。 五月××日 雨、雨、雨、前の雨季の不足を補うかのように降続く。ココアの芽も充分水を吸っていよう。雨の屋根を叩....
十二支考」より 著者:南方熊楠
インフルトの『亜非利加の心臓《イム・ハーツュン・フォン・アフリカ》』十四章に、無雨季節には※いかな小溜水にも潜み居ると言い、パーキンスの『亜比西尼住記《ライフ・....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
三千余キロというものは、河南、山西、陝西、甘粛の黄土層を流れてくる。 華北には雨季という特別のシーズンはない。時に、三日から十日ぐらいドシャ降りの降りつづく時....
黄泉から」より 著者:久生十蘭
ちの仕事は、それは辛いんです。半年の間、毎日滝のように降りつづけていた雨がやんで雨季があけますと、急に温度があがるので、活字が膨脹してレバーであがってこないのに....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
設しようとした一六六三年のフランスの計画は最も惨澹たる結果を伴った。一万二千人は雨季に上陸し、天幕と惨めな小屋に居を占めた。この状態で、逼塞し、生活に疲れ、一切....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
て表現されてる。 紙燭《しそく》して廊下通るや五月雨《さつきあめ》 降り続く梅雨季節。空気は陰湿にカビ臭く、室内は昼でも薄暗くたそがれている。そのため紙燭を持....
好日」より 著者:三好十郎
1 朝 オルゴールの曲。 室数二十は下るまいと思われる、堂々たる邸宅の、庭に面した二つの座敷。梅雨季の薄曇りの朝。石も樹も格式通りに布置されてサビの附いた庭が、手入れを怠ったた....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
居に入って、破れ寺の瑞雲寺でも型ばかりの結制を行っていた。むかし釈尊時代に、夏の雨季は旅行も困難だし歩いても道に匍う虫類を踏むと可哀想だというので室内に閉じ籠り....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
るのを見ていると、佐太郎はふと、ニユーギニヤに渡る前、中支は蕪湖のほとりで舐めた雨季の膝を没する泥路の行軍の苦労を思い出した。 過労で眼を赤くした馬の腹から胸....
それから」より 著者:夏目漱石
に落ちる自分の黒い影が苦になった。広い鍔《つば》の夏帽を被《かぶ》りながら、早く雨季に入《い》れば好《い》いと云う心持があった。その雨季はもう二三日の眼前に逼《....