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「雨宿り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雨宿りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るので、半七はすぐにその屋敷へゆき着いた。雨はだんだんに強くなって来たので、彼は雨宿りをするようなふうをして、隣り屋敷の門前に立った。 船底の機関《からくり》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
彼は柳橋へ半七を迎えに出たのであるが、途中で夕立にふり籠められて、そこらの軒下に雨宿りをして、小降りになるのを待ってお照の家へゆくと、どこで行き違ったか半七はも....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を嫌うことを半七もかねて知っているのと、時刻も丁度暮れ六ツ頃であるのとで、かれは雨宿りながらにそこらの小料理屋へはいって、ともかくも夕飯を食うことにしたが、雷は....
妖術」より 著者:泉鏡花
親仁も、蹲んだり立ったりして、色気のない大欠伸を、ああとする茜の新姐も、まんざら雨宿りばかりとは見えなかった。が、綺麗な姉様を待飽倦んだそうで、どやどやと横手の....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
と違って、あの辺は寺町ですから夜はさびしい。藤崎さんはある寺の門の下に這入って、雨宿りでもしているようにたゝずんでいると、時々に提灯をつけた人が通ります。その光....
」より 著者:海野十三
す、北鳴さん。私の家はすぐそこですから、夕立の晴れるまで、ちょっとお寄りなすって雨宿りをせられてはどうです」 稲田老人は、北鳴四郎の洋服を引張らんばかりにして....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ったりける。 「はははは、お言葉には及びません、饂飩屋さんで泊めるものは、醤油の雨宿りか、鰹節の行者だろう。」 と呵々と一人で笑った。 「お師匠さん、一つお酌....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
朝から内を出て、随分|遠路を掛けた男は、不思議に遥々と旅をして、広野の堂に、一人雨宿りをしたような気がして、里懐かしさ、人恋しさに堪えやらぬ。 「訪ねてみようか....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、頭をコンとお見舞申そうと思ったりゃ、もう、すっこ抜けて、坂の中途の樫の木の下に雨宿りと澄ましてけつかる。 川端へ着くと、薄らと月が出たよ。大川はいつもより幅....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
かった。 ばたん、と扉の開いた音。 二人が揃って、蚊帳の中を廊下際で、並んで雨宿りをする姿で立った処へ、今度は静に悠々と取って返す。 「どうした。」 「鼈だ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
人の古い別荘が、二、三軒あったでしょう。あすこまで、とにかく降りましょう。そして雨宿りをさせてもらいましょう。サア。」と、促されて、また半町くらい、足早にかけ下....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
の大夕立だ。田を三廻りの神ならばどころでないね。しかし我々は百姓|家に飛込んで、雨宿りは出来た様なものの船ではどうも仕様が無かったろう」と宗匠は雪駄を市助に持っ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、ちょうどそこに、××から蟹を商いにやって来たおいささんという女のひとが、やはり雨宿りしていたんですよ。おいささんはもう十年ばかり後家を通している働きもんでね、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の志、その後姿も、尊いほどに偲ばれます。――折からのざんざ降で、一人旅の山道に、雨宿りをする蔭もない。……ただ松の下で、行李を解いて、雨合羽を引絡ううちも、袖を....
雪柳」より 著者:泉鏡花
す青い褄、白い足袋まで、雨明りというのに、濡々と鮮明した。 「傘では凌げません、雨宿りに、この中へ消えましょう。」 と、その姿で……ここは暗闇だ。お聞きになる....