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「雪ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
言は実に秀子の今の辛い境遇を説明して余り有るのだ、其の身に懸る二重の汚名が、到底雪ぐ可き由はなくして其の筋に捕わるれば自分のみか此の家の家名にも、続いては物の数....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
げました通り潔白な気性でございますゆえ、他から恥辱でも受けました節は、その恥辱を雪ぐまでは、一命を捨てゝも飽くまで意地を張るという性根の確かりいたした者かとも存....
石狩川」より 著者:本庄陸男
鋸売りは、目鼻だけ出してすぽッと首から上を包む頭巾に身をかためていた。彼の歩いた雪ぐつの足跡が野の上にならぶのであった。しかし幾らも進まないうちに、びょう茫《ぼ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
で、最も憤ったものは比良野|貞固である。貞固は優善を面責して、いかにしてこの辱を雪ぐかと問うた。優善は山田昌栄の塾に入って勉学したいと答えた。 貞固は先ず優善....
獄中記」より 著者:大杉栄
東京の落武者が寄り集まって、八、九人の仲間ができた。みんなは退校処分という恥辱を雪ぐために、互いに助け合ってうんと勉強する誓いを立てた。みんなはすぐにあちこちの....
雪魔」より 著者:海野十三
かためて、粉雪のちらちら落ちる戸外へ出た。頭には雪帽を、身体には簑を、脚には長い雪ぐつをはき、かんじきをつけた。そして二人の背中には、食料品と燃料と水と酒とが、....
朴の咲く頃」より 著者:堀辰雄
何かまた一人でこそこそやっているなと思って、少し気がかりな事もありましたので、或雪ぐもりの日、ふいとまた爺やが出掛けて行きましたので、私もあとをつけて行きました....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
れだけでも大手を振って自慢が出来るからな。そうなれば、お父さんの受けた恥も立派に雪ぐことが出来るというものだ……しかしね、文麻呂。お前はどうも、この頃清原の息子....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
の惨苦が一目で見られる姿――硝煙によごれ、所々破れたり血痕のある小具足に足だけに雪ぐつ。身内にどこか傷を負っているらしく青ざめて足どりもシッカリしていない。中央....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
の惨苦が一目で見られる姿――硝煙によごれ、所々破れたり血痕のある小具足に足だけに雪ぐつ。身内にどこか傷を負っているらしく青ざめて足どりもシッカリしていない。中央....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
後でいったことも門弟達の胸を衝いたが、そうでなくとも、一門の者は、 (この不覚を雪ぐには、御舎弟よりほかにない) と、善後策を思う途端に、彼の名が誰の頭にも呼....
三国志」より 著者:吉川英治
日、この功を第一の徳とし、諸人にむかって、必ずこれに百倍する叙勲を以て貴下の辱を雪ぐであろうと約されておられる」 馬岱はそう聞くと口惜しさも解け、むしろ孔明の....
無宿人国記」より 著者:吉川英治
が、拙者を、左様な、卑怯者と……」 「いや、逃げるといったのは、わしが悪い。冤を雪ぐのだ、潔白を立てるのだ。――それには」 「は」 と、丈八郎の眼が光った。 ....