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「雪の山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪の山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まった。 こうして、鷹はおとなしく老人の拳に戻った。鷹は一面に白斑のある鳥で、雪の山と名づけられた名鳥であると老人は説明した。 これを表向きにすれば、大変で....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
五兵衛、金森五郎八長近、佐久間三左右衛門勝重、原彦治郎、不破彦三、総勢八千五百、雪の山路に悩みながら進み、江北木の本辺に着陣した。勝家も直に、軍二万を率いて、内....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
たたずんで、この白い傾斜のはてに、山が、遠くの山々が夕日にあかあかと燃えていた。雪の山が燃えるんだ。いや輝くんだ。そして空は、赤からオレンジとだんだん変って、や....
春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
かけて、顎の下にアルペンストックをかって、反対側の窓の中に刻々に移って行く真白な雪の山々を眺めていると、雪の山の不可抗な吸引力は、ジットしていられないほど強くな....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
。雪がだんだんと増して汽車は山の懐ろへ懐ろへと進む。汽車の窓には重り合った真白な雪の山と深い谷間を流れる墨画のような谷川が見えて行く。スティームと人いきれで汚れ....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
うにするか、あるいは滑降には用いないようにせねばならない。 それから人夫の中に雪の山を歩かないものがくる時は、手袋その他の注意をせねばならぬ。色眼鏡も余分にも....
雪魔」より 著者:海野十三
った。 「疲れたら、僕が代って、前を歩くよ」 「なあに彦くん、大丈夫だ」 深い雪の山道の傾斜がひどくなった上に、重い荷を背負っているから歩行がたいへん困難にな....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
りだけれども、船大工かも知れない、カーンカーンと打つ鎚が、一面の湖の北の天なる、雪の山の頂に響いて、その間々に、 「これは三保の松原に、伯良と申す漁夫にて候。万....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
るグラン・パレーの入口は真黒く閉っていて、プチ・パレーの方に波蘭の工芸品展覧会の雪の山を描いたポスターが白い窓のように几帳面な間隔を置いて貼られてある。婆娑とし....
星女郎」より 著者:泉鏡花
羽目へ掛けて小枝も払わぬ青葉枯葉、松|薪をひしと積んだは、今から冬の用意をした、雪の山家と頷かれて、見るからに佗しい戸の、その蜘蛛の巣は、山姥の髪のみだれなり。....
ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、こんどはお姫さまの額のことをいって、それは、このうえなくりっぱな広間と絵のある雪の山だといいました。それから、かわいらしい赤ちゃんをもってくるこうのとりのこと....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
町も、屋根も、軒下の流も、その屋根を圧して果しなく十重二十重に高く聳ち、遥に連る雪の山脈も、旅籠の炬燵も、釜も、釜の下なる火も、果は虎杖の家、お米さんの薄色の袖....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
次第に暗い。 「近常さんは、それですから幻の月の世界へ、縋りついて攀上るように、雪の山を、雪の山を、ね、貴方、お月様の御堂を的に、氷に辷り、雪を抱いて来なすって....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
雨のようやく霽れたあした、湖を巡りて東の岸に立った時、地平線上、低く西北に連なる雪の山を見た。白峰! と思ったが、まだ疑いはある。ポケットから地図を出す、磁石を....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の間に当り大小三十軒ばかりの村が見えてあります。 私は博士と共にいよいよ雪の山を踰えて行きますと広い原の入口に門が立ってあります。それは別段軍事上の目的....