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雪の肌
「雪の肌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪の肌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
きむしる様にして、線路と平行に、薄く雪の積った地面の上に俯伏に倒れていた。真白な
雪の肌に黒血のにじんだその頭部の近くには、顎紐の千切れた従業員の正帽がひとつ、無....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
ともつかぬ雪の原が多かった。 この雪は、夕方から八時まで降った処女雪で、美しい
雪の肌には他のスキーの跡は殆んどなく、時たま人家の前で新しいスキーの跡と交叉した....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
るについて、この様な唄をどこからか習って来た。 一瓶つければ桜色 二瓶つければ
雪の肌 諸君! 買いたまえ 買わなきゃ炭団《たどん》となるばかし。 父は、こ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
し折って箸にしながら象牙の骰子に誇るこそ愚なれ。かゝる叔父を持つ身の当惑、御嶽の
雪の肌清らかに、石楠の花の顔|気高く生れ付てもお辰を嫁にせんという者、七蔵と云う....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
名を白魚のお兼といって、日向では消えそうな華奢姿。島田が黒いばかり、透通るような
雪の肌の、骨も見え透いた美しいのに、可恐しい悪党。すべて滝太郎の立居|挙動に心を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
げ返って、白く濁った湯に首を浮かべて一渡りそこらを眺めまわしたけれど、眼にはいる
雪の肌もいっこうにこころ楽しくない。
奥と入口に魚油の灯がとろとろと燃えて、老....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
かなせいであろう、すべての人が色白で肌目が美しい。そのなかでもお杉は目立つような
雪の肌を持っているのが、年頃になるにつれて諸人の注意をひいた。親たちもそれを自慢....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
抱き込みつつ、歩んで行く月丸へ、猟犬の如く、草叢の中から、飛んで行った。
深
雪の肌は、綱手の肌よりも、暖かであった。その体温が、月丸の腕から、腋の下から、脚....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
》風俗に、こんな日常時|小話《しょうわ》がある。 当時の新聞からとって見ると、
雪の肌《はだえ》に滴々《てきてき》たる水は白蓮《びゃくれん》の露をおびたる有《あ....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
をしていた尾崎紅葉さえ、宛名《あてな》を、蝴蝶殿へとした公開状で、 かくすべき
雪の肌《はだえ》をあらはしてまことにどうも須磨《すま》の浦風 と、一首ものした....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
った。 白皙《はくせき》の西洋婦人《ひとたち》にもおとらないほど、京都生れのお
雪の肌《はだ》は白かった。けれど、お雪の白さは沈んだ、どことなく血の気の薄い、冷....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
浴泉の美女ではないだろうか。どうもその様に思われてならなかった。 壁を透かして
雪の肌が浮出すかのように感じられて、直芳は恍惚たらずにはいられなくなった。 ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
、目指すは谷中の笠森様、赤い鳥居のそれならで、赤い襟からすっきりのぞいたおせんが
雪の肌を、拝みたさの心願に外ならならなかったのであるが、きょうもきょうとて浅草の....
「エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
愛らしい純大和撫子が蝶々さんのような和服を着かざったり、上海ドレスにきめの細かい
雪の肌を包んで、若いアメリカ水兵さんのピンカートンぶりを愛していた。SASEBO....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
作さえ、長く続けていることを許さないのだ。 劒岳の左には毛勝三山がすっきりした
雪の肌を朝日に照らされて、紫水晶の如く輝いている。其後は真白に凝って動かない雲の....