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「雪代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪代の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不尽の高根」より 著者:小島烏水
いたような御中道へとかかる、この前後、落葉松が多く、幹を骸骨のように白くさらし、雪代水や風力のために、山下の方へと枝を振り分けて、うつむきに反っている、落葉松の....
イーハトーボ農学校の春」より 著者:宮沢賢治
) おや、このせきの去年のちいさな丸太の橋《はし》は、雪代水《ゆきしろみず》で流《なが》れたな、からだだけならすぐ跳《と》べるんだが肥....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
に、葦の芽がすくすくと伸びた早春の頃は、数多く山女魚が釣れる。山の釣り人はこれを雪代山女魚といっている。また、肉充ち脂乗って、味覚に溶け込む風趣を持ってくるのは....
香熊」より 著者:佐藤垢石
撃ち倒して、村の医者さまである義弟のところへ舁ぎこんだ。 折柄、私は吾妻渓谷へ雪代|山女魚を釣りに行き、義弟の家へ泊まっていたのでこれを見ると素晴らしい黒熊だ....
魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
際に氷のはる頃が最もおいしい。 しかし、利根川の鰍は、六月上旬の、未だ山奥から雪代水が流れ下る頃までは、寒中と同じ風味に食べられるのである。と、いうのは利根川....
釣った魚の味」より 著者:佐藤垢石
やるのが釣りの道徳である。家へもち帰ってはいけない。けれど三、四寸のものは、春の雪代山女魚と同じ味で食べられる。塩焼きにも天ぷらにも、煮びたしにしても、親しめば親しむほど味が深くなるのである。....
利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
に乗って、蚕席を洗った。洗い汁の臭みを慕って、小ばやの群れが集まってきた。四月の雪代水は、まだ冷たい。冷水に浸った母と姉の脛が真紅に凍てた色は、まだ記憶に新ただ....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
一番上等といえるのである。 また早春、奥山の雪が解けて、里川の河原を薄にごりの雪代水で洗うとき、遡り※で漁った鰍も決して悪くはない。山女魚も鱒の子も、鮎も同じ....
冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
て山女魚の餌に使うのであるが、人が食べてはうまいものではない。 産卵が終わって雪代水を迎えると愛嬌のある頭につぶらな眼をのせて、上流へ上流へと川底の玉石に絡ま....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
きょろりと出額の下から、扇子|構で、会釈をしたように思ったからである。 「やあ、雪代さんか、」 と、八郎が声を掛けた優婉な婦が居て、菊の奥を台所口から入ったお....