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雲の波
「雲の波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲の波の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
ふかな、
さても微笑《ほほゑ》むやさ眼《まみ》や。散りては更に寄せ来《く》なる
雲の波だつ空の下に照りては陰《かげ》る牧の原。
二人|巣籠《すごも》るこのほと....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
太陽の、光りが出ると一時《いちどき》に、 海の面《おもて》に湧き上る、金銀の波
雲の波、 蹴立て蹴立てて行く末は、あと白波の沖の方、 あれあれ見えなくなりま....
「髪切虫」より 著者:夢野久作
しろの 髪切虫よ いつまでも 髪切り飽かず」 あかつきの
雲の波打つ はてしなき わが黒髪を 残りなく 切りつく....
「旅愁」より 著者:横光利一
倫もなお此のごとし。さればゼススのコンパニヤたち故郷を出でて茫茫たる海に浮かみ、
雲の波、煙の浪を凌ぎ今この日域に来って貴き御法を弘め、迷える人を導きて直なる道に....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
べッたりと光って輝いている。 西の方には木曾御嶽が、緩斜の裾を引いて、腰以下を
雲の波で洗わせている、乗鞍岳は、純藍色に冴えかえり、その白銀の筋は、たった今落ち....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
山の主で、身体が一ツで顔が二ツ、手足四ツの両面四手という人が位山の主である。彼は
雲の波をわけ、天ツ舟にのってこの山に来て神武天皇に位をさずけた。そこで位山とよび....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てゆく。そして馬も人も疲れた頃、やっと姥神の中腹までかかり、足もとに、海のような
雲の波と、朝の光を微かに見た。 馬の背にしがみついたまま、一言も物をいわずにき....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
いる幾重の乱雲に包まれて、唯だ四阿山であったろう、長い頂上を顛覆した大船のように
雲の波の上にちらと見せたが、すぐ復た沈んでしまった。左手は間近い飯縄の原の瑞々し....