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「雲影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲影の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
た、父が僕のことを余り言わなくなったのは。けれども又其後でした僕の心の底に一片の雲影の沈んだのは。運命の怪しき鬼が其|爪《つめ》を僕の心に打込んだのは実に此《こ....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
と騒《さわ》ぎたて、みんな駆《か》けてゆきました。しかし、ぼくは漸《ようや》く、雲影《うんえい》模糊《もこ》とみえそめた島々の蒼《あお》さを驚異《きょうい》と憧....
浮浪漫語」より 著者:辻潤
まったくの行き当りバッタリでなければ浮浪の法悦は味わえない。いわば、「身軽片片溪雲影。心朗瑩瑩山月光。馬麥因縁支命足」というような境地にならなければ駄目らしい。....
蘆声」より 著者:幸田露伴
は其処で好い漁をしたので、家を出る時には既に西袋の景を思浮べ、路を行く時にも早く雲影水光のわが前にあるが如き心地さえしたのであった。 その日も午前から午後へか....
湖水と彼等」より 著者:豊島与志雄
なんじが冷かなるか或は熱からんことを願う こんな句が彼女の心に留った。一筋の雲影もない澄んだ空は、黄色を帯びた光線を深く一杯に含んでいた。其処から何物か震え....
西航日録」より 著者:井上円了
快晴。涼風船上を払い、暑気大いに減ずるを覚ゆ。ことに毎夕、明月中天に懸かり、四面雲影を見ず。蒼海渺茫としてただ流光の波間に躍るを見るは、また無限の趣あり。船中に....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
襲い来たるも、霎時にして快晴となる。太陽北方より照らし、涼陰を南方に求む。終日、雲影波光を見るのみ。夜に入りてまた驟雨あり、はるかに電光を望む。 以下、「豪州....
すいれんは咲いたが」より 著者:小川未明
たか小さなはちがみつを吸っています。勇ちゃんは日当たりに出て、花と水の上に映った雲影をじっとながめながら、 「木田くんは、どうしたろうな。」と、思いました。 ....