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零
「零〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
零の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
処女崇拝は処女たる事実を知った後に始まるものである。即ち卒直なる感情よりも
零細なる知識を重んずるものである。この故に処女崇拝者は恋愛上の衒学者《げんがくし....
「或る女」より 著者:有島武郎
う。なぜ世の中は自分のようなものをあわれむしかたを知らないのだろう。そんな感じの
零細な断片がつぎつぎに涙にぬれて胸を引きしめながら通り過ぎた。葉子は知らず知らず....
「或る女」より 著者:有島武郎
なになってしまったわたしのそばにいてくれるのは。……それだのに、わたしはこんなに
零落した姿をあなたに見られるのがつらくって、来た日は途中からほかの病院に行ってし....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ことであったかは、遽《にわ》かに断定さるべきではないと私は思うものだ。もし、私の
零細な知識が、私をいつわらぬならば、ロシアの最近の革命の結果からいうと、ロシアの....
「弓町より」より 著者:石川啄木
て、川さえおおかた姿を隠した北海道を西から東に横断して、着てみると、華氏《かし》
零下二十―三十度という空気も凍《いて》たような朝が毎日続いた。氷った天、氷った土....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
なければならないような事がそこいらじゅうにまくしあがっていた。ある家は目に立って
零落していた。あらしに吹きちぎられた屋根板が、いつまでもそのままで雨の漏れるに任....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
また通過させない物体が自分自身で輻射する熱量はその物体の絶対温度(すなわち、摂氏
零下二七三度を基点として数えた温度)の四乗に比例する。また後者の法則はこのような....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ことができれば、十年を一年にちぢめることは、たやすいことである。逆に温度を下げて
零下二百七十三度という絶対温度にすると、万物ことごとく活動は止まってしまう。そう....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
で買うと、イカサマ師はそのまま一つ処にはいない、という風に、維新の際の武家高家の
零落流行に連れて、
零落者と見せかけてのイカモノ師が多かったなどは、他の時代には見....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
の技手となって赴任する第一の午前。」 と俯向いて探って、鉄縁の時計を見た。 「
零時四十三分です。この汽車は八分に着く。…… 令嬢の御一行は、次の宿で御下車だ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
わ。あなたは私たちの結婚式に何を送ってくださること? 突然彼女がポロポロと涙を
零した。 彼の突き詰めた空想の糸が、そこでぽつりと切れてしまい、彼女の姿はまた....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
絶えたり続いたりと云うよりは、出つ入りつ、見えつ隠れつするかに聞えて、浸出すか、
零れるか、水か、油か、濡れたものが身繕いをするらしい。 しばらく経つと、重さに....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
けで、しかしそれきりでした。はじめはぷりぷりしてみました。そのうちがっかりして、
零下何度のごきげんになってしまいました。幸福のうわおいぐつは、この人をこんななさ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
りっぱな絵本をみたりしていました。でも、せきばんの上にかいているものは、いつもの
零や線ではありません。みんながしてきた、りっぱな行いや、みんながみたりおぼえたり....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
で、それ湯を、それ焦げる、それ湯を、さあ湯だ、と指揮と働きを亭主が一所で、鉄瓶が
零のあとで、水指が空になり、湯沸が俯向けになって、なお足らず。 大人、威丈高に....