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雷門
「雷門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雷門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
だけは消え失せない。門の前に飛びかう無数の鳩《はと》。
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雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。正面にはるかに仁王門が見える。樹木は皆枯れ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
人が駕籠で廓《くるわ》へ飛ばせたのは昼の八つ(午後二時)を少し過ぎた頃であった。
雷門《かみなりもん》の前まで来ると、次郎左衛門を乗せた駕籠屋の先棒が草鞋の緒を踏....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
よ不安心になって、すぐに浅草へ廻ったんですが、その時に根岸の家で河豚太鼓を貰い、
雷門で菓子を買って、坊ちゃんのおみやげに持って行った……。よくよく坊ちゃんが可愛....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、母子は思い切って出て来たのであった。 来てみると、境内は予想以上の混雑で、
雷門をはいるともう身動きもならない程に押し合っていた。こんな陰った日であるから、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
駕籠をかついで柳原の堤を通ると、河岸の柳のかげから十七八の小綺麗な娘が出て来て、
雷門までのせて行けと云う。こっちも戻りだからすぐに値ができて、その娘を乗せて蔵前....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が、弱い稲妻はまだ善八をおびやかすように、時々にふたりの傘の上をすべって通った。
雷門の方へ爪先を向けた半七は急に立ち停まった。 「おい、もう一度河内屋へ行って見....
「妖術」より 著者:泉鏡花
はない。 で、そこまで行くと、途中は厩橋、蔵前でも、駒形でも下りないで、きっと
雷門まで、一緒に行くように信じられた。 何だろう、髪のかかりが芸者でない。が、....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
を入れてある革鞄を浅草へ取りに行った。一つは、かの女の様子を探るつもりであった。
雷門で電車を下り、公園を抜けて、千束町、十二階の裏手に当る近所を、言われていた通....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
せて、口のうちにシューベルトの子守歌うたった。 やがて車は、賑やかな電灯に輝く
雷門の附近まで来たので、僕は惜しい気持がしたけれど、マスミの肩をつついて起した。....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
れが敵機に発見される虞れがあるからだった。 それは弦三の目算違いだった。彼は、
雷門まで出ると、地下鉄の中に、もぐり込んだ。 地下鉄の中には、煌々と昼を欺くよ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
不浄に出かけた。 やがて二人は、小暗い道を、ソロソロ元来た方に引返していった。
雷門を離れると、もう真暗だった。そこで買って来た提灯をつけたお千は吾妻橋の脇の共....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
う、後に陛下の馭者になった人と私の親戚に当る伊藤八兵衛という二人が始めたもので、
雷門に千里軒というのがあって此処がいわば車庫で、
雷門と芝口との間を往復していたの....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
るのも冬の清々しい景色として何とも云えず風情がある。 吾妻橋を渡り浅草へ抜け、
雷門を右に睨み、上野へ出てやがて本郷、写山楼まで来た時にはもう昼近くなっていた。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
二人乗り一台に五銭ずつやろうと言うと、車夫らはよろこんで挽き出した。わたしたちは
雷門で降りて、仲店を通って、観音に参詣して、それから例の横町を曲がりくねって市村....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
寒い日の午後だった。 私は河風に吹かれながら吾妻橋を渡って、
雷門の方へ向って急ぎ足に歩いていた。と、突然後からコートの背中を突つくものがある....