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雷霆
「雷霆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雷霆の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しかし是等の京劇は少くとも甚だ哲学的である。哲学者胡適氏はこの価値の前に多少氏の
雷霆《らいてい》の怒を和げる訣《わけ》には行かないであろうか?
経験
....
「草枕」より 著者:夏目漱石
力の動かんとして、未だ動かざる姿と思う。動けばどう変化するか、風雲《ふううん》か
雷霆《らいてい》か、見わけのつかぬところに余韻《よいん》が縹緲《ひょうびょう》と....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
であった。わずかの時間の会見ながら、庄三郎にとっては光明優婆塞は、ある意味では「
雷霆」であり、またある意味では「太陽」であった。 それだのに今や教団は、教主優....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
取っている奴のように思われるが――
「出ぬか!」
と、突如《とつじょ》として、
雷霆《らいてい》のように、一喝されて、こちらは、身を隠して、隠密《おんみつ》と事....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
久保井先生は温厚で謙遜で中和の人であったが、熊田先生は直情径行火のごとき熱血と、
雷霆のごとき果断をもっている。もし久保井校長が春なら熊田校長は冬である、前者は春....
「小翠」より 著者:田中貢太郎
を聞いて喜んでいった。 「弟はきっと、ひどく貴い者になるだろう。これは狐が来て、
雷霆の劫を避けていたのだ。」 後、果して少年で進士になり、県令から侍御になった....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
蔓をからみ、樫と自分がもとは二もとの根から生れたものであったことをも忘れ、もしも
雷霆が一つの枝を折るならば、蔓のからみでそれを支えようと向い立ちます。その気負い....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
もせねば、小さすぎもせぬ」声で語るカルチュアの人は尊いであろう。しかしそのために
雷霆の如く怒号する野の予言者を排斥してはならない。質素な襟飾をつけた謙遜な教授は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
た。 瞬間、刀が小さく返った。 「ハッ」 途端に…… 「カ――ッ!」という、
雷霆さながらの掛声が――渾身の力を集めた声が、どこからともなく聞こえてきた。 「....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
た。 同年十月八日から厩橋城を打ち囲み、追手搦手から揉み合わせ、攻め轟かすこと
雷霆もこれを避けるであろうという状況である。 血は、城のお壕に溢れ、屍は山と積....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
ものを隔てて聞くようであった。この鉄骨のビルデングでは雨風の音が聞こえぬばかりか
雷霆の響きさえそれ程に響かない。併し雨風が止んでいるどころか一層猛威をたくましく....
「三国志」より 著者:吉川英治
へ撃ってかかった。 われ老いず! われ老いず! と関羽は自己を叱咤しつつ、雷閃
雷霆のなかに数十合の青龍刀を揮った。 ――が矢瘡はまだ完く癒えたとはいいきれな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あるわえ。その腹いせに、も一つ命じる。高氏」 「は」 「余が自慢の犬、天下無敵の
雷霆と銘づくる犬を曳いて、あの勝負庭の四隅の柱を三度廻ってまいれ。そしてもとの犬....