雷鳥[語句情報] »
雷鳥
「雷鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雷鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
い重い音ががさりがさりとする。ふいにギャアという声がした。おやと思うと案内者が「
雷鳥です」と言った。形は見えない。ただやみの中から鋭い声をきいただけである。人を....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
以上は雪そのものの美と作用を略説したのであるが、雪に依って保護される生物に、
雷鳥や高山植物などがある。就中《なかんずく》高山植物の美麗は熱帯の壮大華麗なる花....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
。引返し大変苦しんで、やっと極めたこの聖岳に別れて下る。途中まだ羽根の白い二羽の
雷鳥を見た。道は尾根の右側を巻いて姫小松の中を下って行く、露営地へ下り、荷物を持....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
花、苔桃の類である。山の傾斜もかなり急で歩くに油断が出来なかった。……ひょっこり
雷鳥が子を連れて灌木から顔を出したりした。 庄三郎は走るように下る。 と眼の....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
水沫を烈しく飛ばす、この水球はどこの谷から登って、どこの谷へ落ちるのか解らない、
雷鳥だか山鳩だか、赤児のような啼声が、遠くなり、近くなって、偃松の原から起る、冥....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
くように、谷の底から漂って来て、団々の雲となって、ふうわりと草むらを転げてゆく、
雷鳥がちょいと首を出す、人夫が石を投げたので、また首を引っ込めてしまった。 こ....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
らわれた一粒の露のような特色ある名作である。 明治も四十年代に入ったころ、平塚
雷鳥などの青鞜社の運動があった。封建的なしきたりに反対して女も人間である以上自分....
「女性の歴史の七十四年」より 著者:宮本百合子
土台に生産の諸関係を見、婦人の間に社会層の分裂が生じる必然の推移までを見て、平塚
雷鳥が主観の枠内で女性の精神的自己解放をとなえていた到達点を凌駕した。彼女は明治....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くと、偃松《はいまつ》の間から、のそのそと一羽の鳥が出て来る。 「ごらんなさい、
雷鳥が出て来ましたよ、あの鳥もまた人を怖れません」 やがて頂上に近くなったので....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、眼のさめるほどの美しい高山の植物もなければ、人なつこいかもしかや、人を怖れない
雷鳥のたぐいも出て来るのではない、生けるものといって、虫けらでさえが一つ眼に落ち....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
った中村彝、斎藤与里治、津田青楓の諸氏に出入して其の影響をうけ、又一方、其頃平塚
雷鳥女史等の提起した女子思想運動にも加わり、雑誌「青鞜」の表紙画などを画いたりし....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
の深壑から、何百尺だかわからなく、屹立している。猪や羚羊も恐れて近かねば、岩燕や
雷鳥でも躊躇するだろう、何だか形容のしようもない。今眼前|咫尺に、この偉観に接し....
「かもめ」より 著者:神西清
大きな岩の上に、全身白衣のニーナが坐っている。 ニーナ 人も、ライオンも、鷲も、
雷鳥も、角を生やした鹿も、鵞鳥も、蜘蛛も、水に棲む無言の魚も、海に棲むヒトデも、....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
日記をかきかけているんです。日附だけでしたが。 最後はそう苦しまなかった。平塚
雷鳥さんの良人奥村博さんが上海に来てましてね、その朝ちょうどぼくの店へ来た、魯迅....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
と手を伸して、引き上げるように足を運ぶ。やっと雪田の上の崩れへ出た。二、三間先に
雷鳥が一羽、人懐しげにこっちを見て立っている、遠い祖先から伝った残忍性の血汐を燃....