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電気時計
「電気時計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
電気時計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「逆行」より 著者:太宰治
入学式のとき、ただいちど見た。寺院の如き印象を受けた。いまわれは、この講堂の塔の
電気時計を振り仰ぐ。試験には、まだ十五分の間があった。探偵小説家の父親の銅像に、....
「列車」より 著者:太宰治
れるスチイムが冷い湯気となって、白々と私の足もとを這《は》い廻っていた。 私は
電気時計のあたりで立ちどまって、列車を眺めた。列車は雨ですっかり濡れて、黝《あお....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
東京行き急行であります……」 という拡声機の声をきいた。銀造はプラットホームの
電気時計を見上げた。 「二十時十分か。発車までにまだ五十分ある」 銀造はそう呟....
「新しきシベリアを横切る」より 著者:宮本百合子
。 広いところへかかっている大きい大きい暦の25という黒い文字や、一分ずつ動く
電気時計。床を歩く群集のたてる擦るようなスースーという音。日本女はそれ等をやきつ....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
父達の出て来る間、ラジオ店の前へ、呆んやり立って見た。電気の笠や電気アイロンや、
電気時計の飾ってある陳列窓の中は啓吉にとって愉しいものばかりで、見ているはしから....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
そうでもない。やりようはたしかにあるのだった。なぜなればとつぜん元帥の机上にある
電気時計のような形をした段数計の指針が、二十四のところから、二十三、二十二と、数....
「火星兵団」より 著者:海野十三
なぜなら、ロボットはたいてい、みんな電波などで動かされているわけだから、ちょうど
電気時計と同じように、正しく動くはずである。
しかるに、今新田先生が見かけた怪....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
真の時刻は十二時をしたたか廻っているように思われた。(断っておくが、前の時計は、
電気時計である。まさか十二時すぎまで、ブラック・コーヒーをのませる店があるものか....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
。 お城では妖婆アダムウイッチが、床の上に仆れたまま、まだグウグウ睡っている。
電気時計の指針は、もう午前六時を指している――また禁句禁句――のに、彼は目が覚め....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
場の建物は航空母艦のように平たく長かった。正面に赤い満月が懸っていた。それは大型
電気時計のように出来ていて、針が動いていた。 大玄関を這入ると、私たちはすぐ左....
「狼疾記」より 著者:中島敦
というのだ。何故こんな馬鹿げた話を思出したのだろう? 料理店の白い壁には大きな
電気時計が掛かっていて、黄色い長い秒針が電燈の光を反射させながら、無気味な生物の....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ら、ちょっとお報せする、というのです」
総監の面も早や蒼白になっている。壁上の
電気時計を見上げると正に午後四時。明日の午前四時までにたった十二時間しかない。
....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
ない。エゴイズムといったようなもの……」 由良は欠伸《あくび》をしながら、壁の
電気時計を見あげた。 「おしゃべりは、これくらいにしておきましょう。約束は何時な....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
。澄ました顔で肉の小間切《こまぎ》れをいくつもつくっている。 沼間夫人は食堂の
電気時計と自分の腕時計をたがいちがいに見くらべながら、 「いやだ……。ほんとうに....
「空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
だ。そして、殺人の総ての証拠を湮滅するために、ネオン・サインを載せたボートには、
電気時計と爆薬が装置してある。それは無人の船内で、不気味な時を刻んでいるはずだ。....