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電灯
「電灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
電灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
重吉は玄鶴の婿になる前から或銀行へ勤めていた。従って家に帰って来るのはいつも
電灯のともる頃だった。彼はこの数日以来、門の内へはいるが早いか、忽《たちま》ち妙....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
江丸の長沙を発したのは確か七時か七時半だった。僕は食事をすませた後、薄暗い船室の
電灯の下《もと》に僕の滞在費を計算し出した。僕の目の前には扇が一本、二尺に足りな....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
に嗤笑《ししょう》せらるる小人《ピグミイ》の銅像を建設することでもない。ペンキと
電灯とをもって広告と称する下等なる装飾を試みることでもない。ただ道路の整理と建築....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ぼんやり考えているうちに、やがて人が減って書斎の中へはいれた。
書斎の中には、
電灯がついていたのか、それともろうそくがついていたのか、それは覚えていない。が、....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
る気になったのは、全くこの議論のおかげである。
自分はその後まもなく、秋の夜の
電灯の下で、書棚《しょだな》のすみから樗牛全集をひっぱり出した。五冊そろえて買っ....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
光景。大きい書棚などの並んだ部屋の中に紅毛人の男が一人ぼんやりと机に向っている。
電灯の光の落ちた机の上には書類や帳簿や雑誌など。そこへ紅毛人の子供が一人勢よく戸....
「或る女」より 著者:有島武郎
ん出あっているだろう。小さなストーブに煙の多い石炭がぶしぶし燃えて、けばけばしい
電灯の光だけが、むちうつようにがらんとした部屋《へや》の薄ぎたなさを煌々《こうこ....
「或る女」より 著者:有島武郎
擁しようとした。しかし葉子はそうはさせなかった。そして急いで戸を締めきってから、
電灯のスイッチをひねった。火の気《け》のない部屋《へや》の中は急に明るくなったけ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だ。 デパートメント・ストアのある本通りに出ると打って変わってにぎやかだった。
電灯も急に明るくなったように両側の家を照らして、そこには店の者と購買者との影が綾....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
た。二つの流れに挟まれた狭い谷にきた時に、孝ちゃんがかんじきの跡を見つけた。壌中
電灯の光は、ゆきなやみながら谷を行く。まるい光が雪の下の岩を照らし、夜も休まず流....
「橋」より 著者:池谷信三郎
その中から、美しい白耳義産の切子硝子の菓子鉢を取りだした。それを高く捧げてみた。
電灯の光がその無数の断面に七色の虹を描きだして、彼女はうっとりと見入っていた。 ....
「京のその頃」より 著者:上村松園
て、奥の奥まで見透ける部屋々々に、簾が掛かっており雪洞が灯されてい、その光は今の
電灯などに較べると何とも言えず床しくええものだった。 そうした町中や店先に見る....
「西航日録」より 著者:井上円了
イユに着港し、ここに滞泊す。その夜中の実景は詩中にて見るべし。 風寒人影少、唯見
電灯連、終夜船来去、汽声破客眠。 (風は寒く、人影もまれに、ただ
電灯の連なってい....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
増し、幾万のともしびのなかに香港のすべてがうかぶのである。) 香港の山につゝける
電灯の、光りは星とあやまたれけり 十時出港。通宵汽船、珠江にさかのぼる。ときに....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
三日は吟爾賓に移り研究を続け、夜中に便所に起きたところ北満ホテルの板垣大佐の室に
電灯がともっている。入って見ると、板垣大佐は昨日の私の講演の要点の筆記を整理して....