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電話帳
「電話帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
電話帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
でみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。――
(彼は古い
電話帳をひろげ、こういう詩をおお声に読みはじめた。)
――椰子《やし》の花や....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
?」
「僕は君が知っていると思った。」
梯子の下に立った洋一は、神山と一しょに
電話帳を見ながら、彼や叔母とは没交渉な、平日と変らない店の空気に、軽い反感のよう....
「人間失格」より 著者:太宰治
父はいつもその男をヒラメと呼び、自分も、そう呼びなれていました。 自分は警察の
電話帳を借りて、ヒラメの家の電話番号を捜し、見つかったので、ヒラメに電話して、横....
「海流」より 著者:宮本百合子
顧みた。 「だから云ってきかした通りさ。東京に井上という苗字の家は何百軒かある。
電話帳を見なさい。くさる程ある。それが偶然間違ったからって、俺の知ったことではな....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
い」 女将が何かしらニコニコ笑って立上った。コック部屋の横の帳場に坐り込むと、
電話帳を調べてから念入りにダイヤルをまわした。 特別に品のいいオリイブ色の声を....
「創作人物の名前について」より 著者:夢野久作
なかったという。 もちろん私は、それ程の苦心をしたおぼえはない。今の世の中では
電話帳というものや、紳士録というものがあるから東京市中をウロウロする必要ナンカな....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
来たのでありますか」 一週間ほど前に、この飛行隊へ着任したばかりの戸川中尉が、
電話帳を繰る手を休め、上官の方に声をかけた。 「うむ、例の『火の玉』少尉が、また....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
まず警察へこの椿事を報告し、救いを求めよう。それがいい!) 警察の電話番号は、
電話帳の第一|頁にありました。私は自動式の電話機のダイヤルを廻しました。――警察....
「大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」より 著者:宮本百合子
十分ほど前内外ビルディングに居、人に会うために、ヤマトと云うレストランの地下室で
電話帳を見て居た。ところへひどくゆれて来、ガチャガチャ器具のこわれる音がする。父....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
きのう、目白で省線を下り、駅前の市場の中にある郵便局で早速中村善男という名を
電話帳で調べたが出ていない。恵風園という方でしらべたがやっぱり出ていない。では仕....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
痛な、良人ジュッド氏の新聞広告などは、彼女の眼に触れなかった。ただ堪らなくなって
電話帳を借りて、ああしてラッセル判事の許へ掛けたのである。 フォニックス地方検....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
博士への紹介状を得た。が、博士のところへ駈けつける前に、ガフは、聖マテオの職業別
電話帳を借り受けて聖マテオ市内外の他の医師の住処氏名を全部書き取っている。この表....
「P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
Pという頭文字のついた二|音符《シラブル》の旅館の名を捜出そうと思った。彼は直に
電話帳を繰ってPの行を読んでいったが急に顔を輝かして、 「パーク旅館! これに違....
「帯広まで」より 著者:林芙美子
湖へ行くバスが出ていた。白い服を着た西洋婦人が乗っていた。宿へ着くと、伊代はすぐ
電話帳を借りて、映画館の電話番号を調べてみた。妙に胸さわがしい気持ちである。九太....
「四つの都」より 著者:織田作之助
けて蜂谷に抗議申し込んで来ます!」(庄平出る) 六三 中瀬古家の電話室。 庄平、
電話帳を調べている。 電話が掛って来る。庄平、慌てゝ受話機をとる。 庄平「もし、....