»
震え
「震え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
震えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
》へ倒れたのを見ると、神仏《かみほとけ》をおがむように、太郎の前へ手を合わせて、
震えながら頭を下げた。と思うと、乱れた髪もつくろわずに、脱兎《だっと》のごとく身....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
喧嘩《けんか》をすることだった。信輔は大溝を前にすると、もう膝頭《ひざがしら》の
震えるのを感じた。けれどもしっかり目をつぶったまま、南京藻《なんきんも》の浮かん....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ようと致して居りましたから、私はその時妻の両手が、爪も見えないほど血にまみれて、
震えながら梁をさぐって居ったのが、今でもまざまざと苦しい記憶に残っているのでござ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ましょう。女菩薩の幢《はた》を仰ぎますと、二人とも殊勝げな両手を合せて、わなわな
震えながら、礼拝《らいはい》いたしました。と思うとつづいて二三人、まわりに立って....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
に失われて、明日《あす》からは人殺になり果てるのだと思うと、こうしていても、体が
震えて来る。この両の手が血で赤くなった時を想像して見るが好《い》い。その時の己《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、薄赤い絹に包み始めた。
「では生きては居りませんのでしょうか?」
お蓮は声が
震えるのを感じた。「やはりそうか」と云う気もちが、「そんな筈はない」と云う気もち....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
でわたしの愛する………黄老爺《こうろうや》の血を味わいます。………」
僕は体の
震えるのを感じた。それは僕の膝《ひざ》を抑えた含芳《がんほう》の手の
震えるのだっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んか》なんぞして、何がお前は面白いんだえ?」
母にこう叱られると、兄はさすがに
震え声だったが、それでも突かかるように返事をした。
「洋一が悪いんです。さきに僕....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
その姿を一目見るが早いか、女は何の取付《とっつ》きもなく、和尚の前へ手をついて、
震える声を抑えながら、「私《わたし》はこの子の母親でございますが、」と、思い切っ....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
いす》を離れ、目八分《めはちぶん》に杯をさし上げたまま、いつか背骨《せぼね》さえ
震え出したのを感じた。
彼等はある電車の終点から細い横町《よこちょう》を曲って....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
夫を励ますようにいろいろのことを話しかけた。
「あなた、あなた、どうしてそんなに
震えていらっしゃるんです?」
「何《なん》でもない。何でもないよ。」
「だってこ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
横になってしまった。××は勿論びっくりした。(もっとも大勢の職工たちはこの××の
震えたのを物理的に解釈したのに違いなかった。)海戦もしない△△の急に片輪になって....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
しまった。僕はもとのように受話器をかけ、反射的にベルの鈕を押した。しかし僕の手の
震えていることは僕自身はっきり意識していた。給仕は容易にやって来なかった。僕は苛....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
げ出そうという計略は、すぐに見破られてしまうでしょう。ですから妙子は一生懸命に、
震える両手を組み合せながら、かねてたくんで置いた通り、アグニの神が乗り移ったよう....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れる処へ行きたいという慾望でぶるぶる顫える。手を這う。手は殺したい慾求でわなわな
震える。それは、自由な、何よりすぐれた、自分の心を思うままにすることが出来る、上....