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「震え声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

震え声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んか》なんぞして、何がお前は面白いんだえ?」 母にこう叱られると、兄はさすがに震え声だったが、それでも突かかるように返事をした。 「洋一が悪いんです。さきに僕....
」より 著者:芥川竜之介
のか、ただ何度となく恐ろしそうに頷《うなず》くばかりでございましたが、やがてまた震え声で、『見たともの、見たともの、金色《こんじき》の爪ばかり閃かいた、一面にま....
或る女」より 著者:有島武郎
うにもがきよりながら、涙の暇から狂人のように叫んだ。たちまち高くたちまち低いその震え声は笑っているようにさえ聞こえた。 「出て……お二人ともどうか出て……この部....
或る女」より 著者:有島武郎
て右手を握った葉子の手の上に左の手を添えながら、上下からはさむように押えて、岡は震え声で静かにいい出した。 「御存じじゃありませんか、わたし、恋のできるような人....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
くるくると目を丸めながら、何度もなまつばをごくごくのみ下していましたが、ようやく震え声でいいました。 「おっかねえ隠し芸を持っているだんなですね。あっしゃ今まで....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
たところであった。彼の挙動は快活になったり陰気になったりした。声ははっきりしない震え声(活気がまるで無いように思われるときの)から急に、酔いつぶれてしまった酔い....
婦系図」より 著者:泉鏡花
免なすって、」と盗むように哀憐を乞う目づかいをする。 「出、出しおろう、」 と震え声で、 「馬鹿!」と一つ極めつけた。 「どうぞ、御免なすって、真平、へい……....
間諜座事件」より 著者:海野十三
した。 「もう直ぐ出て来るから、うまく演れよ」と、こっちから黄色い外套の同志が稍震え声で云った。興奮に慄えているのだった。 「ウン、しっかり演ってみせるぞ。安心....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
大概《てえげえ》枯枝でがすよ」 「枯枝だと言うのかい? ジュピター」とルグランは震え声で叫んだ。 「ええ、旦那、枯れきってまさ、――たしかに参《めえ》ってますだ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
「島野さん、お連様もお見え遊ばしたし、失礼いたしますから、お嬢様にはどうぞ、」も震え声で口の裡、返事は聞きつけないで、引返そうとする。 「待ちなさい、」 「待て....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
なったので船長の恐しさを忘れてしまい、談話室の扉を開けると、言いつけられた言葉を震え声で呶鳴った。 可哀そうに、船長は眼を上げると、一目でラムの気がなくなり、....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
として立上る)誰だ! 文麻呂 石ノ上ノ綾麻呂の息、石ノ上ノ文麻呂! 清原 (少々震え声で)……大学寮学生、清原ノ秀臣! 御行 (狼狽して)何しに来た! 文麻呂 ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
腰をずるずるずるずると、台所の板に摺らして、女房の居る敷居の方へ後込しながら震え声で、 「串、串戯をするな、誰、誰だよ、御串戯もんですぜ。藪から棒に土足を突....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いって、エセックスを呶鳴りつけた。年とった廷臣たちは蒼くなり、なかでもバアリイは震え声で神々しい格言などを持ちだしながら、女王の気持をなだめようと骨折ったがむだ....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
、知ってるの?」と管理人が訊いた。初子は真青になり、恐しそうに面を反向けながら、震え声で答えた。 「知ってますとも、この男は――、ゴリラのニックネームで通ってい....