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震撼
「震撼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
震撼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
》というわけのものでも無かったし、また、あなたの大声|叱咤《しった》が私の全身を
震撼《しんかん》させたというわけでも無かったのです。決して負け惜しみで言っている....
「人間失格」より 著者:太宰治
自分の背中をつつき、低い声でこう囁《ささや》きました。 「ワザ。ワザ」 自分は
震撼《しんかん》しました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
忽ち気を失って居たのである、直接に電気に打たるれば即死し、打たれる迄に至らずして
震撼せらるれば気を失うこと、外にも例の有る所である。
其れにしても実に不思議と....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
見ずに走った。 四 成田頼母横死の報は、高松藩上下の人々を
震撼させた。翌朝の出兵は、延期された。 それは、佐幕主戦派にとっては、大打撃で....
「竹青」より 著者:太宰治
襲い、羽で湖面を煽って大浪を起し忽ち舟を顛覆させて見事に報讐し、大烏群は全湖面を
震撼させるほどの騒然たる凱歌を挙げた。竹青はいそいで魚容の許に引返し、その嘴を魚....
「運命」より 著者:幸田露伴
ず、一|波動いて万波動き、不可思議の事の重畳連続して、其の狂濤は四年の間の天地を
震撼し、其の余瀾は万里の外の邦国に漸浸するに及べるありしが為ならずばあらず。 ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
狙って、プスリと一発見舞ったとしたら、溝口豊後、切腹どころの騒ぎではない。一|門
震撼、九族は根絶やし。――果然、道中何かの計画があったとみえて、見る見るうちに豊....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
朝五十七年も其前後の準備や終結を除いた正味は二十五年ぐらいなものであろう。世界を
震撼した仏国革命も正味は六七年間である。千七百八十九年の抑々の初めから革命終って....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
、落葉松の森林から鐘が鳴った、小刻みな太鼓が木魂のように、山から谷へと朝の空気を
震撼した。神主の祝詞が「聞こし召せと、かしこみ、かしこみ」と途切れ途切れに聞える....
「少年と海」より 著者:加能作次郎
も、どこかその底の底には、恐ろしい大怪物がひそんでいて、今にも荒れ出して、天地を
震撼させそうに思われました。耳をすますと遠い遠い海のかなたが、深い深い海の底に、....
「小唄のレコード」より 著者:九鬼周造
てて住んでいる人間たちなのだと感じた。 私は端唄や小唄を聞くと全人格を根柢から
震撼するとでもいうような迫力を感じることが多い。肉声で聴く場合には色々の煩わしさ....
「地上」より 著者:島田清次郎
子さんだね」と彼は深井に精いっぱいの声で言った。全身が、歓喜、驚き、恐怖、羞恥に
震撼した。彼は電柱の傍まで駆けていったが三尺ばかりのところでぴったり立ち止まって....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
の上空で行われるフランス空軍の大演習を見に行きました。六百台余の重爆撃機が天地を
震撼させて進軍する様は世界を席捲するが如く感じました。とても英国なんか敵えそうも....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
りする。彼は笞刑の現場を見て、幾晩か眠れなかったと語る。だが結局サガレンに、彼は
震撼もされず圧倒もされなかった。何か良心の重荷をおろしたという気分も手伝ったのだ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
姿を与えている。 ……気高き貴族よ、 ついこの間、あなたの名を恐れて全スペインが
震撼した。 その近くにあってヘルキュレスの二柱さえあなたの名に慄え上がった。 永....