»
露
「露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
露の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
う。
33
斜《ななめ》に見た標札屋《ひょうさつや》の
露店《ろてん》、天幕《てんと》の下に並んだ見本は徳川家康《とくがわいえやす》、二....
「影」より 著者:芥川竜之介
はっきり見えるような気がした。
……枝を交《かわ》した松の下には、しっとり砂に
露の下りた、細い路が続いている。大空に澄んだ無数の星も、その松の枝の重《かさ》な....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
や、この時半ば怨ずる如く、斜《ななめ》に彼を見た勝美《かつみ》夫人の眼が、余りに
露骨な艶《なまめ》かしさを裏切っているように思われたのは、果して私の邪推ばかりだ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
敵の行方《ゆくえ》を探して歩いた。しかし兵衛も用心が厳しいと見えて、容易に在処を
露《あらわ》さなかった。一度左近が兵衛らしい梵論子《ぼろんじ》の姿に目をつけて、....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
だともつぶれたとも返事をしない、ただ薄暗い湯気《ゆげ》の中にまっ赤になった顔だけ
露《あら》わしている、それも瞬《またた》き一つせずにじっと屋根裏の電燈を眺めてい....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
を聞いた。いや、今十内が云った里げしきの「さすが涙のばらばら袖に、こぼれて袖に、
露のよすがのうきつとめ」と云う文句さえ、春宮《しゅんきゅう》の中からぬけ出したよ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に、叔母の読んでいる手紙を覗きこんだ。
「二町目の角に洋食屋がありましょう。あの
露路《ろじ》をはいった左側です。」
「じゃ君の清元《きよもと》の御師匠さんの近所....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
寒がりね。腰へも毛皮を巻いていらっしゃるの?』と言った。ことによると俺の馬の脚も
露見《ろけん》する時が来たのかも知れない。……」
半三郎はこのほかにも幾多の危....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
は三人の友だちと、魚河岸《うおがし》の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の
露柴《ろさい》、洋画家の風中《ふうちゅう》、蒔画師《まきえし》の如丹《じょたん》....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ていることは、勿論遠藤にはわかりません。ですから遠藤はこれを見ると、さては計略が
露顕したかと思わず胸を躍らせました。が、妙子は相変らず目蓋一つ動かさず、嘲笑うよ....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
云うのは蛇笏を褒めた時に、博覧強記なる赤木桁平もどう云う頭の狂いだったか、「芋の
露連山影を正うす」と間違えて僕に聞かせたからである。 しかし僕は一二年の後、い....
「初雪」より 著者:秋田滋
まい。そうだ、見ているがいい、いまに思い知らしてやるから――。 彼女は臑も足も
露わのまま起ちあがった。そして、自分のこうした思い付きが我ながら子供ッぽく思われ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
らましを話せばうなずきて、「然らばよし、されど余り涼み過ると明日ダルキ者なり、夜
露にかかるは為悪し早く帰られたがよからん」との言に、「御注意有り難し」と述べて左....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
農家や旅籠屋で日雇取りをして、一番賤しい仕事をあてがわれ、他人の残りものを食べて
露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに悩みながら冷たい板の間で旅寐の夢をむすぶ身とな....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
た――へ持って来られていたのをよく知っている。その頃久作さんは農民であった。而も
露西亜好きの農民の様であった。あの杉山さんが夢野久作であったのかと思えば夢の様で....