露台[語句情報] »
露台
「露台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
露台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
ある蒸し暑い雨《あま》もよいの夜《よ》、舞台監督のT君は、帝劇《ていげき》の
露台《バルコニー》に佇《たたず》みながら、炭酸水《たんさんすい》のコップを片手に....
「春」より 著者:芥川竜之介
だけです。」
彼等は第二室を通り越した。第二室の外は円《まる》天井の下に左右へ
露台《ろだい》を開いた部屋だった。部屋も勿論円形をしていた。そのまた円形は廊下《....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
しみを持っているかを語っている。そして最後に建築物に関しても、松江はその窓と壁と
露台《バルコン》とをより美しくながめしむべき大いなる天恵――ヴェネティアをしてヴ....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
トルの裾をふむ所だった。
Aの声 ふきあげの音がしているぜ。
Bの声 うん。もう
露台の下へ来たのだよ。
×
女が大勢裸ですわったり、立った....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
で、陽気がよくて、お腹がくちいと、うとうととなって居睡をする。……さあさあ一きり
露台へ出ようか、で、塀の上から、揃ってもの干へ出たとお思いなさい。日のほかほかと....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
もて我に力をつけよ。 我は愛によりて疾みわづらふ。 或日の暮、ソロモンは宮殿の
露台にのぼり、はるかに西の方を眺めやった。シバの女王の住んでいる国はもちろん見え....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が何よりも羨ましく思われた。別刷などいろいろもらって、お茶に呼ばれてから、階上の
露台へ出ると、そこは小口径の望遠鏡やトランシットなどが並べてあった。『これで a....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
の日差しに明々と映えあがる。向って左の方に、ひときわ高くあたかも船橋のような屋上
露台を構えたのが主館であろう。進むにつれて同じように白い小さな船室風の小屋が見え....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
、日本間が二室で、四角な縁が、名にしおうここの名所、三湖の雄なる柴山潟を見晴しの
露台の誂ゆえ、硝子戸と二重を隔ててはいるけれど、霜置く月の冷たさが、渺々たる水面....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
え。」 「成程。」 まったく山家はのん気だ。つい目と鼻のさきには、化粧煉瓦で、
露台と言うのが建っている。別館、あるいは新築と称して、湯宿一軒に西洋づくりの一部....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
人の顔と、頭との中に、電飾に輝いた。……町の角から、館の前の広場へひしと詰って、
露台に溢れたからである。この時は、軒提灯のあと始末と、火の用心だけに家々に残った....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
も思いながらしおしおとして御返事もしないでいますと、だれか二人王子の像の下にある
露台に腰かけてひそひそ話をしているものがあります。 王子も燕も気がついて見ます....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、ぶよぶよやわらかで、人間の世界と同じような塔や、円屋根のお堂や、帆のかたちした
露台が、薄い空気のなかに、すきとおって浮いていました。さて人間の住む地球は、大き....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いには、せまい水道のなかにまでくぐって、そのながい影を水の上に投げている大理石の
露台の下までもいってみました。そこにじいっといて、みあげると、わかい王子が、じぶ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
枚の開戸口で。――これが開いたのを、さきには一本松の幹だと思った。見ると、小さな
露台があって、瀬戸の大鉢に松が植っています。一本松ではありません、何とかいう待合....