霽れ間[語句情報] » 霽れ間

「霽れ間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

霽れ間の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
とはしない。刃の風とまっ暗な雪のなかで、一同は立往生してしまった。 と、やがて霽れ間が見えてきた。すると、ケプナラがあっと叫んで、白みかけてきた前方を指差すの....
」より 著者:徳田秋声
ら空きであった。お銀は子供をお手かけ負して、翌日も一日広い廊下を歩いたり、小雨の霽れ間を、高い崖の上に仰がれる不動堂へ登ったりした。梅園には時々|鶯が啼いて、そ....
旅愁」より 著者:横光利一
感じられてからは、千鶴子とすぐには語れぬものもあって、この山房の午後の空気も暫時霽れ間を見せて来なかった。 矢代は棚から活眼のある古硯を降ろして眺めた。端正な....
夜の靴」より 著者:横光利一
青竹の長さをくらべては栗の実を叩き落す子供たち。海から襲って来る密雲が低く垂れて霽れ間も見えない。加わって来る寒気つよく、稲刈に出ていたものらも午後にはどこも帰....
変な男」より 著者:豊島与志雄
て、それが大抵、雨の降る夜更けなどに訪れてきた。雨の中を傘もささずにやってきて、霽れ間を待ちながら、自分の濡れた着物と今井の乾いた着物とを、着代えては帰っていっ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
運が訪れようと信じられたでしょうか。 それは、忘れもしない六月二日の朝、濃霧の霽れ間に、日本国駆逐艦の艦影を望見したので、ともかく、衝角だけは免れようと、急速....
一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
時間を要して登って来る。 漸く胸壁の上の草の生えた緩斜面へ着いた頃は夕暮近く、霽れ間に見える陽に照らされた山の色は非常に冴えて、夜の近い事を指示していた。最後....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
った。心なしか、暮れかけている泥湖の水の光も、孤城の影も、何となく寂として、雨の霽れ間を身に迫る湿っぽい風が蕭々と吹き渡っていた。 持宝院というお寺に着いた。....