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靂
「靂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
靂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
のを耳にしました。と同時に近くへ落雷があったのでしょう。天が裂けたような一声の霹
靂《へきれき》と共に紫の火花が眼の前へ散乱すると、新蔵は恋人と友人とに抱かれたま....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の坑へ蹴込まれてしまった。彼は裂けるばかりに瞋恚《いかり》のまなじりをあげて、霹
靂《はたたがみ》の落ちかかるように叫んだ。 「雷震《らいしん》ここにあり。妖魔亡....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
」 「無い?」 「…………」 「芸者は内に居ないと云うのか。」 「はい。」 霹
靂のごとく、 「帰れ!」 小芳が思わず肩を窘める。 「早瀬さん、私、私じゃ、」....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
士現市議中の大立物動坂三郎氏を推さんとする説が有力である。―― 僕はこの青天霹
靂に等しい報道記事を貪るように読み下した。この号外を出した新聞名は「朝夕新報」と....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ポツ降り出して来るという順序で、昔のような不意撃ちを食わせない。いわんや青天の霹
靂などは絶無である。その代りに揚がりぎわもよくない。雷も遠くなり、雨もやむかと見....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れ、あわせて小田原城を破却されたのである。 その子細は知らず、なにしろ青天の霹
靂ともいうべきこの出来事に対して、関東一円は動揺したが、とりわけて大久保と縁を組....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
奇問奇答に茫然としていた矢先だったので、検事と熊城にとると、それがまさに青天の霹
靂だった。誰一人知るはずのないあの奇蹟を、この老婦人のみはどうして知っているので....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
をなげうつと、鉄符は浪の上に躍ること幾回の後に沈んだ。暫くして一天俄かに晦く、霹
靂一声、これで法を終った。 それから数日の後、別のところに沙の盛りあがること十....
「地球要塞」より 著者:海野十三
に対して、そうよばわった。 (ああ、四次元の人!) 私はそのことばを、青天の霹
靂《へきれき》のごとく感じた。 (そうか、四次元の人だったか。うっかり私は、その....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、意識してか、知らず、しかくあらしめたものである。 青麟に嫁く一言や、直ちに霹
靂であった。あたかもこの時の糸七に、屋の内八方、耳も目も、さながら大雷大風であっ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
よこれが書きじまいになると急に気落ちがしてがっくりした。と思うと共に、きこえぬ霹
靂の大きな音がわたくしを振り揺がして気をひき立てた。もともと異教徒であったパウロ....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
時分は全く戯作だった――その戯作を堂々と署名して打って出たという事は実に青天の霹
靂といおう乎、空谷の跫音といおう乎、著るしく世間を驚かしたものだ。 自分の事を....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
命の巷とならんとする如き混乱に陥った。 機一発、伊公の著名なる保安条例が青天霹
靂の如く発布された。危険と目指れた数十名の志士論客は三日の間に帝都を去るべく厳命....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
るるものなし。船中徒然のあまり、シナ革命の一絶を賦して、同乗梁振華氏に贈る。 霹
靂夜来天地轟、黄竜失墜満廷驚、暁窓傾、四百余州革命声。 (はげしくなる雷が夜どお....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
も洩れる陽射しが、温かくて明るさを運んでくれるのであります。 ひょっとして、霹
靂一声、俄雨が来たあとは、たちまち晴れて、冴え冴えした月影が心の空に磨き出るので....