青い[語句情報] »
青い
「青い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
った道に彼等のどちらかが捨てて行った「ゴルデン・バット」の吸い殻が一本、かすかに
青い一すじの煙を細ぼそと立てているばかりだった。………
二
重吉は玄鶴の婿....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ければ差し上げようと思って持って来ました。」
崋山は、鬚《ひげ》の痕《あと》の
青い顋《あご》を撫《な》でながら、満足そうにこう言った。
「もちろん気に入ったと....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の根がたに腰を卸しながら、余念もなく笛を吹いていますと、たちまち自分の目の前へ、
青い勾玉《まがたま》を沢山ぶらさげた、足の一本しかない大男が現れて、
「お前は仲....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
その中でもといっているじゃないか? 髪は勿論|銀杏返《いちょうがえ》し、なりは薄
青い縞《しま》のセルに、何か更紗《さらさ》の帯だったかと思う、とにかく花柳小説《....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《みみずばれ》の跡を加えたようでございます。が、横なぐりに打ち下した竹馬が、まだ
青い笹の葉に落花を掃《はら》ったと思うが早いか、いきなり大地《だいち》にどうと倒....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
い人だって、思われるようにはしむけられるんでしょう。志村さんにしたって、私によく
青いお酒を持って来ちゃくだすった。それが私のは、思われるようにしむける事も出来な....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
れん》は牧野《まきの》の酌《しゃく》をしながら、彼の右の頬へ眼をやった。そこには
青い剃痕《そりあと》の中に、大きな蚯蚓脹《みみずばれ》が出来ていた。
「これか?....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
いうるがために、自分は何よりも大川の水を愛するのである。
銀灰色の靄《もや》と
青い油のような川の水と、吐息《といき》のような、おぼつかない汽笛の音と、石炭船の....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
れにはちょいと唇を触れたばかりで、すぐにM・C・Cへ火をつけた。煙草の煙は小さな
青い輪を重ねて、明い電燈の光の中へ、悠々とのぼって行く。本間さんはテエブルの下に....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
うちに彼女の耳にはいったのは戞々《かつかつ》と蹄《ひづめ》の鳴る音である。常子は
青い顔をしたまま、呼びとめる勇気も失ったようにじっと夫の後《うし》ろ姿を見つめた....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
なめしがわ》の帯をしめて、わざと爪を長くしたパリサイの徒もいた事であろうし、髪に
青い粉をつけて、ナルドの油の匂をさせた娼婦たちもいた事であろう。あるいはまた、羅....
「初雪」より 著者:秋田滋
るのを眺めていた。彼女はまた、自分の頭の上に大きく拡がっている、眼に泌みるような
青い空と、渺茫たる碧い碧い海原とをしばらく眺めていた。 やがて彼女はベンチから....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
が違うのである。この本も今日は絶版かと思う。あまり厚い本ではなく、活字も大きい。
青い表紙の本で、巻頭にファラデーの肖像がある。 第三は、 Michael Far....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ーの広い水面はじっと鏡のようで、ただところどころに静かな波がおこって、遠くの山の
青い影をながくのばしていた。琥珀色の雲が二つ三つ空にうかび、風はそよりともせず、....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
見て、多助も太郎右衛門も吃驚してしまいました。 「何んて魂消た話しだ!」と多助は
青い顔をして太郎右衛門を見ると、太郎右衛門は今までこんな大金を見たことがないので....